2006年百里基地航空祭(2006年7月30日)7月30日は2年ぶりの百里航空祭。しかし今年は梅雨明けが遅く、7月はずぅ〜っと天候不順。いつも使う与沢門側の駐車場は、雨が続くと地面がぬかるむのである。基地に電話して聞いてみたら「使えないかもしれない」とのこと。しかも航空祭のwebサイトには「天候不順のため5000台分が使用不能」などと出ているではないか。もともと基地の共用化工事のため北側駐車場が縮小されているのに、与沢門側まで使えないのでは駐車場難民になり兼ねない、と焦ったワタシは、前夜7月29日の2315に家を出るのであった。まるで松島航空祭に行くみたいだ(笑)。 前回2004年の航空祭は、サンダーバーズ来日に伴い駐車場利用が事前申し込みになったにもかかわらず、駐車場待ちで周辺道路は大渋滞になってしまった。それに懲りたので、今回は行きも東関道で終点の潮来ICまで行き、県道50号をひたすら西へ。0130ごろ与沢門に着いたらもう駐車場待ちの列ができていた。1kmほども基地外周に沿って走ってようやく最後尾に付く。仮眠を取りつつ待つこと4時間ほど、0530ごろに突然車列が動き出し、与沢門のすぐ近くの駐車場に案内された。クルマを停めたらとりあえずトイレ行列に30分並んで用を足す(笑)。空はドン曇りで肌寒いくらいなので(それで油断してたらその後どんどん晴れてきて、腕や首が日焼けで酷いことになったのであるが)、クルマに常備しているウインドブレーカーを着て仮眠。0730ごろに再び起き出して、買っておいた朝食をとって0800過ぎにようやく基地に入る。今年は基地の中にまで一般車用の駐車場ができている。門の外の土地がぬかるんでるので(実際空いている土地がかなりあった)苦肉の策なのだろう。 てなわけで航空祭。今年は百里基地開庁40周年の記念すべき年なので、基地側としても気合いが入ったようだ。地上展示機は19機種55機(ブルーインパルス7機とエアロックのピッツ、展示飛行を行ったF-15J/DJ、RF-4E/EJ、T-4も含む、ただし後述の“ステルス機”(笑)は含まず)で、海自機1機、陸自機3機のほか米軍機も7機(35FWデモチームの2機含む)展示された。百里航空祭でデモチームやサンダーバーズ以外の米軍機が展示されたのは、空自40周年を言祝いだ1994年以来なんと12年ぶりになる。また格納庫内ではF-15Jが2機(コクピット公開と記念撮影用)とRF-4EJ(コクピット公開)が展示されていたほか、南側エプロンには展示飛行に備えた第501飛行隊のRF-4E/EJが並んでいた。 飛行機以外の展示は、格納庫内のRF-4EJの脇に偵察用カメラ(RF-4Eの機首に搭載するもの)、偵察ポッド、J79エンジンなどが並べられていた。また格納庫後方のスペースにペトリオットシステムや81式短距離地対空誘導弾(短SAM)や91式携帯式地対空誘導弾(SAM-2)、20mm対空機関砲(VADS-1改)といった装備や支援車両などが展示されていた。 飛行展示は、朝から天気がどんどん良くなっていったので、すべてプログラム通りに行われた。百里の飛行展示がプログラム通りだったのは何年ぶりなのだろう(笑)。おかげで久しぶりに編隊飛行だけでなく、RF-4、F-15、F-2Aの機動飛行に米空軍F-16のデモ、第一区分で飛んだブルーインパルスに加え地上ではブルーインパルスJr.と、とにかく堪能できた一日であった。 今回のメダマはなんといってもこれ! いつの間にか光学迷彩をモノにしていた空自が密かに配備していた“目に見えない”ステルス戦闘機だ!・・・というのはもちろんウソで、単にF-15の車輪を並べただけのものなのだが、ちゃんと看板まで作ってあるのにはワロタ。 気を取り直して(笑)、真のメダマは「AC」レターのEA-6Bである。米海軍大西洋艦隊に所属している空母ハリー・S.トルーマン搭載、CVW-3/VAQ-130所属のCAG機とイモ番機が並んで展示されたのである。実はVAQ-130は6月末からMCAS岩国のMAG-12に配備されたので日本にいるのであるが、大西洋艦隊所属空母の搭載機のマーキングは初めて見たので儲けた気分である(笑)。イモ番機のほうの機首先端には、飛行隊のモチーフであるドラゴンの足が描かれていたのだが、日本配備を意識したのかその中に「攻」の文字が書かれていた。本来A-6との識別用に描いていたこの機首先端のマーキングは、すでにA-6が全機退役して久しいので不要になったはずなのだが、でもまだけっこうあちこちの部隊で描かれているのを見掛ける。案外現場ではここに描くのがお気に入りなのかもしれない。 メダマが米軍機というのもアレなので、自衛隊機的メダマは第3飛行隊のF-2Aスペマー機。飛行隊創設50周年記念塗装機で、胴体上面の赤フチ黄の模様は左側面から見ると「VX」(ローマ数字の「50」)と読めるようになっている。機首には目玉、インテークには赤いシャークマウス、尾翼の部隊マークは懐かしのフルカラー、ととにかく派手(でもセンスは良くないと思う(爆))。これが機動飛行をしてくれたので、上下面の塗りもバッチリ拝むことができた。 米軍機に話を戻すと(なにしろ12年ぶりなので嬉しくて仕方がない(爆))、マリンコのF/A-18 2機はいずれも色つき。VMFA-212のF/A-18C(N)は飛行隊長機。マーキング類がスコードロンカラーの青で描かれている。一方VMFA-115のF/A-18A+(Bu.No.の表記にもちゃんと「+」が書かれているのは初めて知った)のほうは、垂直尾翼上端の帯が青白赤の色つき。モデックスは3桁になっているがなぜなのだらう。 もひとつ米軍機。展示された米空軍のC-130は近場のYJ印のC-130Eではなく、遠くアラスカAK印のC-130Hであった。この機体、どういうわけか見てすぐに判るくらいはっきりと右に傾いていた。機内の右側に寄せて何か重い物でも積んでいるのか?とも思ったのだが(トラックではよく見掛けるもので(^_^;))、短時間だが機内を公開したのでどうも内部は空っぽのようだ。となると、単に脚の調子が悪いだけなのだらうか。米軍さんは全然気にしてないようであったが。 地元第305飛行隊のF-15とT-4の一部にだけ、インテーク脇に百里基地開庁40周年記念マークが描かれていた。なぜ一部なのか、なぜ第204飛行隊機や第501飛行隊機には描かれていないのか、などは聞かなかったので判らないままである(爆)。 同じく地元第501飛行隊恒例のシャークマウスは、今年はRF-4Eの一部だけに描かれていた。それとRF-4EJは量産改修機(いわゆる“黒ファントム”)だけで、暫定改修機(いわゆる“白ファントム”)はなぜか1機も出されていなかった。 海自から唯一参加のP-3Cは厚木の第3航空隊所属機。新塗粧で地味なことこの上なし。それでも尾翼に部隊番号が書かれていただけマシなのだらう。胴体背面のSATCOMアンテナドームが、小型化された新型のものになっていたのが目新しいくらいであった。 陸自からは第4対戦車ヘリコプター隊のAH-1SとOH-6D、それに東部方面ヘリコプター隊のUH-1Jの3機。まぁいつもの連中、と言ってしまえばそれまでだし、特別なマーキングがされているわけでもないが、前回はこれすらもいなかったのだから有り難いことである。 飛行展示はプログラム通り。早朝に上がった天候偵察のT-4に続いて、オープニングフライトに第305飛行隊のF-15Jが3機上がって編隊飛行。次いで航過飛行のため第204飛行隊のF-15J/DJが5機、第501飛行隊のRF-4EJが2機と第305飛行隊のT-4が2機上がり、続いて第501飛行隊のRF-4E 2機が戦術偵察デモに上がって会場の写真を撮りつつ派手に飛び回る。フレア放出がなかったのが残念だが、久しぶりにファントムの背中バックリな飛行を見た。 【地上展示機と所属部隊一覧】 【航空自衛隊】 【海上自衛隊】 【陸上自衛隊】 【アメリカ空軍】 【アメリカ海軍】 【アメリカ海兵隊】 【民間】 オマケの写真はこちら。 ブルーインパルスの飛行中からじわりじわりと出口に向かって移動開始。「ローリングコンバットピッチ」が終わったのを見届けて撤収開始。途中にあった売店で、初めて見た「百里基地銘菓 百里ぬれ焼せんべい」なるものをお土産に買い、駐車場に戻ってクルマを出したのが1450ごろ。30分くらいで基地の外周道路を渡って県道50号に入るも、鹿島鉄道榎本駅近くまではノロノロ運転が続く。踏切を渡ったら渋滞は解消、あとはスイーッと潮来ICまで走り、東関道で都心を目指す。が眠くて堪らないので途中の市川PAで20分ほど仮眠を取る。多少の渋滞はあったものの、帰宅したのは1915ごろであった。久しぶりに『航空祭らしい航空祭』を見た気がした今年の百里なのであった。(^^)v |