★使用キット:グンゼ/エレール1/72 FG-212 ホーカーシドレーハリアーT4 +ハセガワ1/72 B5 シーハリアーFRS Mk.1 +IMW1/72 72001 DERA VAAC Harrier T.4N ★使用デカール:IMW改造パーツ付属 他 【2010年2月12日完成】 作例の機体はハリアーT.2の先行量産型2号機として1969年7月14日に初飛行、1985年に後席の操縦装置をFBWに改造される(前席は従来のまま)と同時にT.4A仕様にアップグレードされ、DERA(Defence Evaluation & Research Agency −国防評価研究機関)でVAAC(Vectored-thrust Aircraft Advanced Control −推力偏向航空機先進操縦装置)試験機として各種のテストに使用されました。 この作品はもともと2004年春に量産した第一世代ハリアーと一緒に作り始めたものだったのですが、あまりの大工事に途中で飽きてしまい(笑)長い間放っておかれることになってしまいました。たまに思い出してはちまちま弄っていたのですが、最大のネックだったウインドシールドの合わせの問題が昨年解決したことで一気に作業が進み、2010年2月にようやく完成に漕ぎ着けたものです。 ベースはエレールのハリアーT.4で、IMW(現:NMC)の改造パーツもそれに合わせたものになっています。駄菓子菓子、エレールのキットは第一世代ハリアー複座型の唯一のキットなのに、残念ながら組み立ての簡単さ重視の初心者向けスナップキットになっていて、レーザーノーズの付いた胴体パーツに射出座席のヘッドレストや前後のノズル、ブラストパネル、前後の脚が一体に整形され、エアブレーキは閉状態でスジボリすら入っておらず、主翼端もフェリー用の延長翼端になっているというシロモノ。垂直尾翼は背の高いタイプで前縁にはRWRの前方レシーバーがモールドされているのに(実際のT.4では背が低い垂直尾翼の機体にだけRWRレシーバーが増設されています)、尾端の後方レシーバーは省略されているという中途半端なものになっています。 今回複座型は2機同時に作っていたのですが、どちらの機体も機首先端は切り取って換装しなければなりませんし、T.4Nでは垂直尾翼も背の低いタイプにしなければなりません。そこで、この際ですから胴体中央部をそっくり他のキットと置き換えることにして、このT.4Nはハセガワ、同時に作ったT.52はイタレリ(エッシー)を使うことにしました。エレールのキットの胴体から、インテークより前方の機首と主翼より後方の尾部を切り離し、同様に尾部を切断したハセガワ/イタレリのキットの胴体と組み合わせればおkです。 と書くのは簡単ですが、もちろんコトはそう簡単には運びませぬ。機首部分は同時にコクピット内も造作したため(サイドコンソールや後席用の固定風防が全く再現されていなかったので)、仮組みもままならない状態に。サイドコンソールはプラ板で工作し、インパネともどもハセガワのハリアーGR.3のデカールをスキャンして複製した自作デカールを貼り付けてますが、後にインパネはIMW改造パーツの付属デカールに入っていたことが判明してちょっとガックリ。計器板フードはハセガワのキットから切り取って移植したりプラ板ででっち上げたり。射出座席は下半分がコクピットフロアと一体成形になっていたので、エアロクラブのマーチンベイカーMk.9(ちょっとオーバースケールで他の機体に使えなかった(笑))から切り離したヘッドレストをくっつけました。 キャノピーはキットのパーツからからスナップフィット用の突起を切り取り、またシート換装に伴いキャノピー閉状態にはできなくなったので、ワンピース成形されていたキットのパーツを風防と前後キャノピーの3ピースに分割。後席用の固定風防はその風防を工作して作りましたが、保管中に割れてしまったため胴体をドナドナしたハセガワのシーハリアー用パーツから作り直しました。前席用の風防はもともとそのシーハリアー用の風防パーツを使うつもりだったのですが、機首を組んでみたら風防パーツ側の幅が狭いことが判明。これをどう合わせようかと悩んだのが放置のきっかけだったのですが(笑)、昨年何気なく合わせてみたハセガワのハリアーGR.3用の風防パーツがほぼそのまま使えることが判明、これで最大の懸案が解決したのでした。(^^)v 機首パーツは機首先端のレーザーノーズを切り離しておき、コクピットを挟んで組み上げたら先端をIMWのレジン製パーツに置き換えます。スジボリを入れたら胴体に取り付けて、インテークパーツで挟んで固定。この時ちょっと曲げて付けてしまったので(爆)、いったん切り離してプラ板でシムを噛ませてから再接着。余計な手間を増やしてしまいました。後席コクピット後方に付く整形用フェアリングは、もちろんハセガワの胴体パーツの背中のラインに合うはずがないので強引に接着。周囲を瞬着で固めてヤスリ倒します。 一方、後部胴体はハセガワの胴体幅よりちょっと狭いので、プラ板で幅を広げてから接着。下面のエアブレーキ部はパネルラインとは関係ないところで強引に合わせてあるので、瞬着で合わせ目を完全に埋めます。ペーパー掛けの邪魔になるので垂直尾翼とベントラルフィンは予め切り離しておき、垂直尾翼は上半分を切り取ってハセガワのパーツと合わせ、背の低い垂直尾翼にします。あとはとにかくペーパー掛け。ひたすらペーパー掛け。これが退屈だったのも放置の原因のひとつなのでした(笑)。 製作中にこの機体の尾端の形状が、RWRレシーバーが付いていない他の複座型のそれと異なっているのに気付いたので、AIM-9のパーツを使ってそれらしく工作しました。ちょっと細身だったようですが(汗)。これは、この機体がT.2の先行量産型2号機として各種テストを行っていた頃、この部分にスピンシュートが取り付けられていたことの名残なのかも知れません。 ここまで終わってしまえば、あとはフツーに作ってやればいいだけです。胴体下面にはIMWのレジン製パーツを取り付け、機体各部に突き出たアンテナ類や機首のヨーインジケータは、プラ板や伸ばしランナーそれと真鍮線で自作、胴体上下面のACLは三角形のストロボライトになっているのでプラ板工作しました。エアブレーキはハセガワのパーツがシーハリアー用の小振りのモノになっているので、余っていたエッシーのパーツを流用しました。 機体塗装はイギリス空軍の実験部隊所属機に共通する、いわゆる“ラズベリー・リップル”。混色が必要な下面のブルーは、以前ジャギュアT.2を作った時の色が残っていたのでそれを使っています。塗り分けラインはIMWの指示図が若干間違っていたので、写真を見ながらマスキング。デカールはIMWの改造パーツ付属のもの。6年前の製品なのでMDプリンタ製デカールのベースに使っているのが、固いと不評だったウェーブの昔の製品だったため、キット表面に馴染ませるのに苦労しました。 なおブログに上げたリアルタイム製作記(途中からですが)はこちら。 |