★使用キット:グンゼ/エレール1/72 FG-212 ホーカーシドレーハリアーT4 +イタレリ1/72 1236 SEA HARRIER FRS.1 ★使用デカール:自作 他 【2010年2月12日完成】 作例はイギリス空軍向けとは別にホーカー・シドレー社がデモ用として自費製作したT.2A相当の機体で、1971年9月16日に初飛行した民間初のジェットVTOL機です。エンジンは後にペガサスMk.103に換装されています。この美しいデモンストレーター塗装だったのは当初の2年ほどで、その後ブラウン系2色のデザート迷彩に塗り替えられて世界各国でハリアーの売り込みに精を出しました。 この作品はもともと2004年春に量産した第一世代ハリアーと一緒に作り始めたものだったのですが、あまりの大工事に途中で飽きてしまい(笑)長い間放っておかれることになってしまいました。たまに思い出してはちまちま弄っていたのですが、最大のネックだったウインドシールドの合わせの問題が昨年解決したことで一気に作業が進み、2010年2月にようやく完成に漕ぎ着けたものです。 ベースはエレールのハリアーT.4です。駄菓子菓子、このキットは第一世代ハリアー複座型の唯一のキットなのに、残念ながら組み立ての簡単さ重視の初心者向けスナップキットになっていて、レーザーノーズの付いた胴体パーツに射出座席のヘッドレストや前後のノズル、ブラストパネル、前後の脚が一体に整形され、エアブレーキは閉状態でスジボリすら入っておらず、主翼端もフェリー用の延長翼端になっているというシロモノ。垂直尾翼は背の高いタイプで前縁にはRWRの前方レシーバーがモールドされているのに(実際のT.4では背が低い垂直尾翼の機体にだけRWRレシーバーが増設されています)、尾端の後方レシーバーは省略されているという中途半端なものになっています。 今回複座型は2機同時に作っていたのですが、どちらの機体も機首先端は切り取って換装しなければなりませんし、同時に作ったT.4Nでは垂直尾翼も背の低いタイプにしなければなりません。そこで、この際ですから胴体中央部をそっくり他のキットと置き換えることにして、このT.52はイタレリ(エッシー)、T.4Nはハセガワを使うことにしました。エレールのキットの胴体から、インテークより前方の機首と主翼より後方の尾部を切り離し、同様に尾部を切断したイタレリ/ハセガワのキットの胴体と組み合わせればおkです。 と書くのは簡単ですが、もちろんコトはそう簡単には運びませぬ。機首部分は同時にコクピット内も造作したため(サイドコンソールや後席用の固定風防が全く再現されていなかったので)、仮組みもままならない状態に。サイドコンソールはプラ板で工作し、インパネともどもハセガワのハリアーGR.3のデカールをスキャンして複製した自作デカールを貼り付けてます。計器板フードはハセガワのキットから切り取って移植したりプラ板ででっち上げたり。射出座席は下半分がコクピットフロアと一体成形になっていたので、エアロクラブのマーチンベイカーMk.9(ちょっとオーバースケールで他の機体に使えなかった(笑))から切り離したヘッドレストをくっつけました。 キャノピーはキットのパーツからからスナップフィット用の突起を切り取り、またシート換装に伴いキャノピー閉状態にはできなくなったので、ワンピース成形されていたキットのパーツを風防と前後キャノピーの3ピースに分割。後席用の固定風防はその風防を工作して作りました。前席用の風防はもともとハセガワのシーハリアー用の風防パーツを使うつもりだったのですが、機首を組んでみたら風防パーツ側の幅が狭いことが判明。これをどう合わせようかと悩んだのが放置のきっかけだったのですが(笑)、昨年何気なく合わせてみたハセガワのハリアーGR.3用の風防パーツがほぼそのまま使えることが判明、これで最大の懸案が解決したのでした。(^^)v 機首パーツは機首先端のレーザーノーズを切り離しておき、コクピットを挟んで組み上げたら先端をジャンクから漁ってきた増槽パーツと瞬着ででっち上げ。スジボリを入れたら胴体に取り付けて、インテークパーツで挟んで固定します。後席コクピット後方に付く整形用フェアリングは、もちろんイタレリの胴体パーツの背中のラインに合うはずがないので強引に接着。周囲を瞬着で固めてヤスリ倒します。 一方、後部胴体はイタレリの胴体と幅がほぼ同じだったのでそのまま接着。下面のエアブレーキ部はパネルラインとは関係ないところで強引に合わせてあるので、瞬着で合わせ目を完全に埋めます。ペーパー掛けの邪魔になるので垂直尾翼とベントラルフィンは予め切り離しておき、垂直尾翼はモールドされているRWRレシーバーアンテナを削り取っておきます。あとはとにかくペーパー掛け。ひたすらペーパー掛け。これが退屈だったのも放置の原因のひとつなのでした(笑)。 ここまで終わってしまえば、あとはフツーに作ってやればいいだけです。機体各部に突き出たアンテナ類や機首のヨーインジケータは、プラ板や伸ばしランナーそれと真鍮線で自作しました。機首のピトー管も真鍮パイプで自作。エアブレーキは不要パーツになっている空軍型用を使います。 機体塗装は青赤白のデモ機塗装。写真があまり見つからなかったので色合いや塗り分けラインはかなり推定が入っています。青はクレオス#65インディブルー、赤はクレオス#327レッドFS11136(サンダーバーズカラー)にしました。デカールは、機首のコーションマーク類はあちこちからの寄せ集め、尾翼のマーキングなどは写真をもとに自作。6年前に作ったものなのでMDプリンタ製デカールのベースに使っているのが、固いと不評だったウェーブの昔の製品だったため、キット表面に馴染ませるのに苦労しました。 なおブログに上げたリアルタイム製作記(途中からですが)はこちら。 |