川崎C-1,C-1FTB,EC-1

《シリアルナンバー》

試作型XC-118-1001/1002
基本型式C-1
28-1001/1002 38-1003 48-1004/1005
58-1006/1013 68-1014/1020 78-1021/1026
88-1027/1028 98-1029 08-1030 18-1031
28-1001/1002はXC-1から改修
改造型C-1FTB
28-1001C-1から改造
EC-1
78-1021

《実機について》

 C-1C-46Dの後継機として1966年に日本航空機製造(NAMC)にて開発がスタートしたターボファン双発の戦術輸送機で、量産型は川崎重工(KHI)を主契約社とし日本の主要航空機メーカーが協力して生産することとなりました。NAMC製の試作機XC-1の1号機は1970年11月12日に初飛行し、2号機以降はKHIが最終組立を行いました。

《自衛隊での使用状況》

 XC-1の1号機は1971年2月14日に航空自衛隊に引き渡され、1981年10月21日までに31機が引き渡されました。1983年からは夜間及び悪天候時に編隊飛行や物資投下精度を向上させるSKE装置を胴体上部に設置し、飛行開発実験団で空中試験機(FTB)として使用されている1号機をのぞく全機に改修を終えています。また、1機だけ改造されたECM訓練機EC-1は1984年12月3日に初飛行、1986年1月31日に航空自衛隊に納入され、同年7月16日から運用が開始されています。2017年3月からは第403飛行隊に後継機C-2の配備が開始され、徐々に退役機が出始めています。

《性能諸元》

C-1
全幅30.6m
全長29.0m
全高9.99m
主翼面積120.5u
キャビン寸法W2.7m×L10.8m×H2.55m
運用重量24,100kg
最大離陸重量45,000kg
発動機プラット&ホイットニーJT8D-9
ターボファン×2
推力6,557kg(1基)
燃料容量4,150gal(機内)
最大速度787km/h
巡航速度685km/h
離陸速度194km/h
着陸速度204km/h
実用上昇限度40,000ft
海面上昇率3,500ft/min(ペイロード4,500kg)
飛行航続距離3,334km(最大燃料、ペイロード2,600kg)
乗員5名+兵員60名

《配備部隊》

C-1
(旧部隊名→)部隊名(旧組織名→)上位組織
第401飛行隊輸送航空団第1輸送航空隊→第1輸送航空隊
第402飛行隊輸送航空団入間航空隊→輸送航空団第2輸送航空隊
 →第2輸送航空隊
第403飛行隊輸送航空団第3輸送航空隊→第3輸送航空隊
実験航空隊→航空実験団
 →飛行開発実験団
まず実験航空隊で各種テストが行われた後、当初は第401、第402、第403の各飛行隊に配備されましたが、1984年から配備が開始されたC-130Hを第401飛行隊に集中配備することとなり、所属していたC-1は1989年までに第402、第403飛行隊に振り分けられました。2017年から第403飛行隊にC-2の配備が開始されたことに伴い、2018年4月4日には第403飛行隊に残った最後のC-1を第402飛行隊に移管しています。

C-1FTB
(旧部隊名→)部隊名
実験航空隊→航空実験団→飛行開発実験団
機首に空対地ミサイルのものと思われる先端部分を付けたり、尾部にRHAWレシーバーの出っ張りを付けたりといった、いろいろアヤシげな(笑)改造を受けたりしています。

EC-1
(旧部隊名→)部隊名上位組織
実験航空隊→航空実験団→飛行開発実験団
電子訓練隊→電子戦支援隊
  →電子作戦群
航空総隊司令部飛行隊
  →航空戦術教導団
当初は航空実験団でテストが行われた後、航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊に配備されています。

《部隊マーク》

※各飛行隊の所属機に付けられたマークは飛行隊マークではなく、上位組織の第1〜第3輸送航空隊のマークです。
第401飛行隊
制定1978年8月11日
図柄青い「1」をバックに赤で小牧基地にちなんだシャチホコを日本地図風にデザインしたマーク
第402飛行隊
配備当初はノーマーク
旧マーク制定1978年8月11日
図柄黄色い鷲が広げた翼が「2」を象ったマーク
現マーク制定1988年3月1日
図柄青地に銀の鷲が赤い日本地図と稲妻の上を飛ぶ、第2輸送航空隊のパッチと同じデザインのマーク
第403飛行隊
初代マーク制定1978年8月11日
図柄青い丸に「輸送航空団=Air Transport Wing」の頭文字「ATW」と「3」を白で桜の花の形にデザインしたマーク
2代目マーク制定不明(1991年5月頃)
図柄コールサインの「コメット」に由来した、青い丸に箒に乗って「3」の形の航跡を描いて飛ぶ黄の魔女をデザインしたマーク
最終マーク制定不明(1994年8月頃)
図柄美保基地近くの出雲地方の神話にちなんで、黄土色の丸に白/黒で大黒様と因幡の白兎をデザインしたマーク
航空戦術教導団電子作戦群
制定不明(2023年11月に確認)
図柄グレーのヘルメットを被った黒/グレーのカラス(?)と、その上げた足先から3本の電光
2023年11月4日にTwitter(現・X)に写真が上がりました。EC-1のマークは電光が黄色です。
航空実験団→飛行開発実験団
航空実験団
時代
制定1964年7月(実験航空隊時代)
図柄衝撃波と人工衛星の軌道を組み合わせたデザインの青のマークに、赤で「APW」(Air Proving Wing)と書かれたマーク。その後機体塗装の迷彩化に伴い、日の丸の小型化に合わせた小サイズのマークも使用。
飛行開発
実験団時代
(現マーク)
制定1989年3月10日
(同年3月14日に飛行開発実験団に改編)
図柄航空実験団のマークから「APW」の文字を消し、デザインが若干変更されたマーク。こちらも迷彩機の日の丸に合わせた小サイズのマークも使用。

《キット》

1/72 Wing FactoryC-1レジンキット。元防衛庁(防衛省)職員の方が立ち上げた工房の製品です。風防と胴体窓は透明レジン加工済み。Wing Factory のWebサイトから購入できます。
NMC
(North wing
 Model Craft)
C-1【絶版】レジンキット。元空自のC-1整備士の監修のもと細部まで可能な限り美しく再現されています。もちろんプロポーションはばっちり。デカールはパソコンのプリンタで印刷されたものですが、歴代すべてのマークが収録されています。
EC-1【絶版】レジンキット。上記のC-1の改造パーツではなく、イチから作り直しているところに作者さんのコダワリを感じます。評判がイマイチだったウィンドシールドは透明レジン製一体抜きパーツを用意。
メカドールC-1【絶版】レジンキット。元空自の方が製作されたそうで、組立説明書の実機解説を図を多用して詳しく説明しているほか、デカールも充実しています。
雅モデラートC-1【絶版】レジンキット。中身は上記のメカドールです。
ラクーンモデルC-1【絶版】レジンキット。デカールは入っていないそうです。
1/144 プラッツC-1[2024年くらいには発売されてほしい(^^;]2016年静岡ホビーショー発表アイテム。もちろんプラキットです。中の人によれば2018年の静岡で発表されたF-4EJ改の後になるとのことでしたけど、2023年5月現在でF-4EJ改のほうが匂いもしてこないので、出るのは早くても2024年くらいになるのかなぁ、と。(^^;)
C-1
2010年4月発売。レジン、エッチング、ホワイトメタルなど様々な素材を用いたマルチマテリアルキットです。下記のパッケージが発売されています。
●ノーマル版
●美保基地開設40周年記念塗装機
●第2輸送航空隊 創設60周年記念塗装機
●第2輸送航空隊 創設50周年記念塗装機 “ブラウン迷彩”
●第2輸送航空隊 創設50周年記念塗装機 “ブルー迷彩”
●試作1号機(FTB)(機首の標準ピトー管のメタルパーツ入り)
●空自創設40周年記念塗装機
1/200 ハセガワ C-1
“SKEバージョン”は胴体上面にSKE装置が付いた状態が、“チャーリー・ワン”はSKE装置のない運用初期の姿が再現できます。小粒ながらプロポーション良好、ただしその小ささゆえに作りにくいと感じるかもです。凹スジはスケールを考えるとウルサイような気も。
【限定版キット】
●記念塗装機[4種類]
●無塗装時代
●F-15レドーム付き
 (F-2用FCS開発時に機首にF-15のレドームを付けた#019、レドームはレジンパーツ)
●C-1コンボ
 (402sqの空自50周年記念塗装機とノーマル機の2機セット、インストの塗装例は全て007号機)
●飛行開発実験団 初号機(真鍮挽物パーツの標準ピトー管付き)
EC-1
【限定版】(10611) C-1のキットにレジン製のレドームパーツと専用デカールをセットしたものです。迷彩機の主翼上面のウォークウェイはこのキットのデカールにだけ入っています。
 また、2021年5月にパッケージを替えた「電子戦訓練機」(10842)がやはり限定版で発売されましたが、ハセガワのサイトの説明を見る限りでは中身は恐らく同じなのではないかと思われます。今後、尾翼の部隊マークのデカールを入れた「電子作戦群電子戦隊」(10861)が2024年5月に発売予定です。
1/240 サンショウC-1
【絶版】後にフジホビーとサニーから発売されました。(Special Thanks to ゆっきー)
フジホビーXC-1【絶版】
サニーC-1
【絶版】
1/300 エフトイズ・
コンフェクト
C-1
【限定版】番外編。2007年6月発売(東日本地区)の『名機の翼コレクション』のアイテムです。塗装済み完成品ですがプラキットと並べても遜色のない出来で、またこのスケール唯一のものなので入れときました。
C-1
【限定版】番外編。2013年12月発売の『日本の航空機コレクション』のアイテムです。中身は上記のものと同じですが、通常塗装機と空自50周年記念塗装機(入間バージョン)は配色が変わって若干暗めになっています。
C-1【限定版】番外編。2019年12月発売の『日本の輸送機コレクション2』のアイテムのひとつで、塗装済み完成品です。通常塗装機と入間基地開設60周年&第2輸送航空隊創隊60周年記念塗装機の2種類があります。
1/700 ピットロードC-1【絶版】ホワイトメタル製。日の丸はデカールにありますがシリアルナンバーと部隊マークはありません。EC-1はEP-3とセットになっています。C-1は「航空自衛隊機セット2 スペシャル」(S38SP)にも入っていましたが、こちらも絶版です。
EC-1

《デカール》

1/72 Wing Factoryキット付属C-1第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
現マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
最終マーク
飛行開発実験団
NMCキット付属
【絶版】
C-1第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
現マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
2代目マーク
最終マーク
航空実験団大マーク
飛行開発実験団
パソコンのプリンタで印刷されたものですので、普通のデカールとは取り扱いが若干異なります。その点を承知した上で使いませう。
キット付属
【絶版】
EC-1航空総隊司令部飛行隊
電子戦支援隊
部隊マークはもともとないので機番のみです。なおこちらのデカールはシルクスクリーン印刷です。
メカドールキット付属
【絶版】
C-1第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
現マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
2代目マーク
航空実験団大マーク
小マーク
飛行開発実験団
おまけで1/72のT-1A/Bの第13飛行教育団のマーク(最終団マーク)も入っています
1/144 プラッツキット付属C-1第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
入間基地航空祭記念塗装
現マーク
空自40周年記念塗装
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
2代目マーク
最終マーク
美保基地航空祭記念塗装
飛行開発実験団
第402飛行隊の入間基地航空祭記念塗装の資料提供などで、当サイトもささやかながら協力させていただきました。(^^)v
キット付属
(美保基地創設40周年記念塗装機)
C-1第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
最終マーク
美保基地開設40周年記念塗装
1/200 ハセガワキット付属
(SKE VERSION)
C-1第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
現マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
2代目マーク
最終マーク
キット付属
(CHARLIE-ONE)
C-1第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
キット付属
(NATURAL METAL)
【限定版】
C-1第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
航空実験団大マーク
キット付属
(w/F-15J RADOME)
【限定版】
C-1飛行開発実験団小マーク
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
現マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
2代目マーク
最終マーク
キット付属
【限定版】
EC-1航空総隊司令部飛行隊
電子戦支援隊
ただし部隊マークはもともとないので機番のみです。迷彩機のウォークウェイなど細部マークはこのデカールがもっとも充実しています。

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