ノースロップ・グラマンE-2Cホークアイ

《シリアルナンバー》

E-2C
34-3451/3454(米海軍Bu.No.161400/161403)
54-3455/3458(米海軍Bu.No.161786/161789)
34-3459/3461(米海軍Bu.No.164621/164623)
44-3462/3463(米海軍Bu.No.164624/164625)

《実機について》

 早期警戒機E-2はアメリカ海軍の艦隊防空用“空飛ぶレーダーサイト”として開発され、原型機W2F-1(後にE-2A)は1960年10月21日に初飛行しました。E-2Cは1972年9月23日に量産1号機が初飛行した発展型で、レーダー等の段階的な改良によりさらにグループ0/I/II/ホークアイ2000と発展しています。

《自衛隊での使用状況》

 航空自衛隊では1976年9月6日に発生したMiG-25亡命事件を教訓として1978年8月にE-2Cの採用を決定し、1号機は1982年5月18日に受領、1983年2月8日に1,2号機が三沢基地に到着、以後1994年までに計13機を導入しています。同機はFMS(有償対外軍事援助)で防衛庁に納入されたため、全機にアメリカ海軍のBu.No.が付与されています。なお最初の4機は捜索レーダーにAPS-125を搭載したグループ0前期型、残る9機はAPS-138/-138プラスを搭載するグループ0後期型ですが、後に前期型はレーダーを換装して後期型仕様に改修されています。

 2000年代に入りアメリカ海軍では装備機をE-2CグループIIの性能向上型ホークアイ2000に更新しましたが、航空自衛隊でも2002年度からの中期防の中で保有機を同等の機能にアップグレードする改修を行うこととなりました。捜索レーダーをグループIIと同じAPS-145に換装するほか、性能向上型敵味方識別装置(IFF)、新型ワークステーション、自動操縦装置などの近代化が行われ、空域・洋上捜索、作戦空域管理、戦域防空および弾道ミサイル防衛等の能力が向上します。機内の搭載物に関する改修なので外見に違いはありません。改修1号機(34-3451)は2004年7月14日に初飛行、9月22日に第601飛行隊第1飛行班に配備されました。現在は全機が改修済みです。

 また、上記の改修で置き去りにされた(笑)プロペラは2017年度予算で改修が開始され、2017年12月に 34-3459 がNP2000と呼ばれる8翅の新型に換装しました。2021年10月時点で他に 34-3460 と 44-3463 の計3機が改修済みです。

 なお、2014年に採用が決定したE-2Dは、当初はE-2Cの後継ではなく追加とされていましたが、2018年度までに発注された4機に加え2019年度予算案で9機の一括購入が盛り込まれたため、結局E-2Cの後継となった模様です。

《性能諸元》

E-2C
全幅24.56m
全長17.6m
全高5.58m
主翼面積65.0u
回転レーダー直径7.32m,厚さ0.76m,回転数6回転/分
運用重量18,360kg
最大離陸重量24,680kg
発動機アリソンT56-A-427
ターボプロップ×2
出力5,100shp/13,850rpm(1基)
最大速度620km/h
巡航速度600km/h
実用上昇限度36,000ft
海面上昇率1,430ft/min
飛行航続距離2,800km(最大)
最大飛行時間約6時間30分
乗員5名

《配備部隊》

部隊名上位組織
(第601飛行隊→第601飛行隊第1飛行班→飛行警戒監視隊→)
第601飛行隊[飛行警戒監視群]
(警戒航空隊→)警戒航空団
第603飛行隊[飛行警戒監視群]
E-767の配備に伴う警戒航空隊の組織改編により、1999年3月25日付でE-2Cは第601飛行隊第1飛行班所属となり、2005年3月31日付の組織改編で第601飛行隊第1飛行班は飛行警戒監視隊になりました。2014年4月20日付の組織改編で飛行警戒監視隊は飛行警戒監視群に昇格し、隷下に第601飛行隊(三沢)と第603飛行隊(那覇)を納めるようになりました。2020年3月26日には警戒航空隊は警戒航空団に格上げされました。

《部隊マーク》

第601飛行隊→第601飛行隊第1飛行班→飛行警戒監視隊→第601飛行隊
1985年2月3日に臨時警戒航空隊へ配備された当初はノーマーク
制定1986年3月24日
(同年4月5日に臨時警戒航空隊を警戒航空隊に改編)
図柄闇夜に超音波を出して飛ぶコウモリをE-2Cになぞらえた、コウモリと電光を黒と黄でデザインしたマーク
記入位置コクピット後方の胴体側面
なお第603飛行隊は部隊マークを制定せず、第601飛行隊と同じものを使っています。整備の都合上両飛行隊で機体の入れ替えが頻繁に行われるためであろうと思われます。

《キット》

1/48 キネティックE-2C
2010年2月発売。2009年12月に発売された米海軍型(4翅ペラ)のデカール替え。デカールは空自50周年記念塗装機です。
 2019年7月には従来の4翅プロペラのパーツの代わりに8翅のNP2000プロペラのパーツを入れ、8翅プロペラが付いている#459のデカールが追加されたバージョンが発売されましたが、パッケージにそれを示す実機写真のステッカーが貼られているだけで、パッケージそのものは従来製品と変わらないので注意が必要です。
イタレリE-2C2010年7月発売。中の人はキネティックだそうです。2010年ニュルンベルグ・トイフェアで発表された時は空自デカール入りのように思えたのですが、出てみたら入ってませんでした。(´・ω・`)
コレクトエアE-2Cレジンキット。入手難なうえ価格もバカ高くて\40kくらいします。
1/72 ハセガワE-2C
2008年12月発売。ロートドームはポリキャップで回転可能、フラップは上げ下げ選択式、タイヤは自重変形。機体下面のアンテナや機首先端の着陸・滑走灯などが新・旧選択式になっていて、導入時/通常型/改修型(HE2000相当機)がきっちりフォローできるようになってます。
【限定版キット】
●空自50周年記念塗装機
●w/NP2000プロペラ (8翅のNP2000プロペラのパーツ入り)
[2023年11月発売予定]
フジミE-2C
なにしろ古いキットなので細部にはかなり手を入れることが必要でせう。一度キャノピーまわりや主脚、プロペラなどを新金型でリニューアルしましたが、かえってほかの部分とアンバランスになってしまいました(^_^;)。
【限定版キット】
●記念塗装機[3種類]
エレールE-2C
[2023年12月発売予定]新生エレールから完全新金型での発売!ただしボックスアートは懐かしのVAW-115のHE2000なので航空自衛隊Verは望み薄な気がしますが、お値段も1マソ越えなのでどのみち手が出せそうにないです(涙)。
旧キットは2000年春に発売されたものですが、中身はフジミのデッドコピーで、スジボリは荒く細かいパーツはだるく、クリヤーパーツなどは使う気になれません。取り柄はフジミより価格が安い(笑)こととフランス海軍機のデカール(これがまた出来が悪い)が入っていることくらいでせうか。もっともフジミもハセガワもデカール替えで出してしまいましたが。(^_^;)
1/144 アカデミーE-2C2021年9月発売。空自と米海軍のデカール入り。恐らく下記エースの製品、つまりドイツレベルと同じものではないかと推測。
ハセガワ/
ドイツレベル
E-2C
【限定版】下記のドイツレベルのキットに航空自衛隊50周年記念塗装機のデカールを入れたものです。
ドイツレベルE-2C
2004年9月発売。ロートドーム頂部にGPSアンテナドームが付いたグループIIをモデライズしてあります。作りやすい、いいキットなのですが、残念ながら頭が似てません。
エースE-2C2011年5月発売。韓国製ですが中身はドイツレベルのキットにオリジナルのデカールです。価格がエレールよりも安くて超お買い得。(^^)v
エレールE-2C
2004年に発表されながら、2006年5月になってようやく発売されました。ドイツレベルと同じかと思いきや全くのオリジナル新金型なのですが、どことなくフジミ1/72の縮小コピー的な匂いがするのは気のせいでせうか(笑)。デカールはフランス海軍機のみで、ロートドーム頂部のGPSアンテナドームはありません。特筆すべきはその低価格で、ドイツレベルのキットひとつの価格でエレールのキットが3個買えます。(^◇^;)
カフェレオE-2C
【限定版】番外編。2011年1月発売の塗装済み半完成品のシリーズ『Jウイング監修ミリタリーエアクラフトシリーズJ-Wings』第5弾のアイテムのひとつです。なかなかいい出来です。
エフトイズ・
 コンフェクト
E-2C
【限定版】番外編。2011年7月発売の塗装済み半完成品のシリーズ『哨戒機コレクション』のアイテムのひとつです。こちらもなかなかいい出来です。
カフェレオ/エフトイズ/エレール/レベル(エース)のE-2Cの比較はこちら
1/350 タミヤE-2C「アメリカ海軍現用艦載機セットNo.2」に付属。デカールはアメリカ海軍機用のもののみです。
トランペッターE-2C元々は同スケールの空母「ニミッツ」の艦載機として作られたものですが、このスケールなのに単独パッケージでも発売されています。6機入りとお得感がありますがデカールはアメリカ海軍機用のもののみです。
1/400 アリイE-2C「アメリカ海軍機・10機種セット」に付属。デカールはアメリカ海軍機用のもののみです。
1/700 ピットロードE-2C「アメリカ海軍機セット」(S48)、「現用米国空母艦載機」(S12)【絶版】、「ザ・ウエストウイングス3」(S13)【絶版】に付属。
アオシマE-2C「航空自衛隊機セット」および海上自衛隊イージス護衛艦「DDG-178あしがら」「DD-116てるづき」のキットに付属。
ツクダE-2C【絶版】「WORLD WEAPON SERIES 航空自衛隊機-1」に付属。

《デカール》

1/48 キネティックキット付属E-2C第601飛行隊第1飛行班
[警戒航空隊]
空自50周年記念塗装
イスラデカールIAF-82E-2C飛行警戒監視隊
[警戒航空隊]
E-2C無事故飛行100,000時間記念塗装
イスラエル製デカール。レスキューアローの上に書かれた「救出口」の漢字は怪しいです。(^◇^;)
1/72 ハセガワキット付属E-2C飛行警戒監視隊
[警戒航空隊]
第601飛行隊第1飛行班
[警戒航空隊]
警戒航空隊20周年記念塗装
フジミキット付属E-2C第601飛行隊[警戒航空隊]
コウモリマークがグレイになってしまっているので修正が必要です。
ミュージアム
コレクション
MC-D394 E-2C第601飛行隊第1飛行班
[警戒航空隊]
空自50周年記念塗装
イスラデカールIAF-83E-2C飛行警戒監視隊
[警戒航空隊]
E-2C無事故飛行100,000時間記念塗装
イスラエル製デカール。先に出た1/48の縮小なので、レスキューアローの上に書かれた「救出口」の漢字はやっぱり怪しいです。(^◇^;)
NBM21
(プラッツ)
JD-38
E-2Cコーションデータ1機分
1/144 アカデミーキット付属E-2C第603飛行隊[警戒航空団]
ハセガワ/
ドイツレベル
キット付属
【限定版】
E-2C第601飛行隊第1飛行班
[警戒航空隊]
空自50周年記念塗装
アシタの
デカール
(MYKデザイン)
A-270
【限定版】
E-2C第601飛行隊第1飛行班
[警戒航空隊]
空自プレ50周年記念塗装
空自50周年記念塗装
飛行警戒監視隊
[警戒航空隊]
E-2C無事故飛行100,000時間記念塗装
A-271
A-586
【限定版】
E-2Cコーションデータ1機分

inserted by FC2 system