三菱MU-2S/J
《シリアルナンバー》
MU-2S | MU-2S
| 73-3201/3202 83-3203/3204 93-3205/3206 03-3207/3208 13-3209/3212 23-3213/3214 33-3215/3217 |
MU-2A
| 43-3218 53-3219 63-3220/3221 73-3222 83-3223/3224 13-3225 23-3226 33-3227 63-3228 73-3229 |
MU-2J
| 53-3271 73-3272 83-3273 93-3274 |
《実機について》
MU-2は三菱重工が開発したターボプロップ双発のビジネス機で、原型初飛行は1963年9月14日です。最初の型であるMU-2Aはエンジンにフランス製のアスタズー(562shp)を搭載していましたが、次のMU-2Bからはアメリカ市場を狙ってアメリカ製のエアリサーチTPE331-25A(605shp)となりました。その後エンジンをパワーアップしたD型が作られ、1969年には胴体をストレッチしてさらにエンジンをパワーアップしたG型が作られました。その後は標準型とストレッチ型が平行して生産され、J/K、L/M、N/Pと発展しています。1985年12月に生産が終了するまでに755機が生産され、使用国は27ヶ国にのぼります。
《自衛隊での使用状況》
航空自衛隊では1967年にMU-2を捜索/救難機として採用、MU-2Dに準じた航空自衛隊向けバージョンをMU-2Sの名称(社内名称はMU-2E)で1967年11月30日から1987年にかけて29機導入しました。MU-2Sは機首にドップラーレーダーのレドームを装着し、胴体右側面に大型のスライドドア、胴体両側面には水滴型の大型観測窓を装備しています。また、機内に77gal入り燃料タンクを増設しており、機内の与圧はされていません。
なお18号機以降はエンジンをMU-2Jと同じものに換装してパワーアップし、主翼のチップタンクを大型化して航続距離の延伸を図っており、このタイプをMU-2Aとして区別しています。この改修は17号機以前の機体にも一部行われたようです。
また、1975年にはMU-2Gを飛行点検機として採用、MU-2Jの名称で1979年までに4機を導入しました。こちらの外形はほぼMU-2Gに準じていますが、機体構造は一部強化されており、機内には航法/通信機器やオシロスコープ、グラフィックレコーダーなどの各種機材が搭載されています。
MU-2Sは1995年から後継機U-125Aへの機種改編が始まり、2008年10月22日に浜松救難隊に残った最後の1機が最終飛行を行い全機退役しました。また、MU-2Jは1994年3月22日に最後の1機が退役し、U-125と交替しました。
《性能諸元》
| MU-2S | MU-2J ※データはMU-2G |
全幅 | 11.94m |
全長 | 10.7m | 12.03m |
全高 | 3.94m | 4.17m |
主翼面積 | 16.55u |
運用重量 | 2,968kg | 2,915kg |
最大離陸重量 | 4,550kg | 4,700kg |
発動機 | エアリサーチ TPE-331-25A ターボプロップ×2 | エアリサーチ TPE-331-1-151A ターボプロップ×2 |
出力 | 605shp/41,730rpm(1基) | 705shp(1基) |
プロペラ | ハーツェルHC-B3TN-5/T10178HB-11 直径2.29m/3枚羽根 |
燃料容量 | 375gal(298gal(機内) +77gal(機内増加タンク)) | 366gal(機内) |
最大速度 | 474km/h(外部搭載なし) | − |
巡航速度 | 420km/h | 525km/h |
実用上昇限度 | 17,900ft | 27,000ft |
海面上昇率 | 1,400ft/min | − |
飛行航続距離 | 1,750km | 2,500km |
乗員 | 4名(最大) | 2名+乗客10名(最大)
|
《配備部隊》
MU-2S |
部隊名 | (旧上位組織名→) 上位組織 |
救難教育隊(小牧)、千歳、秋田、松島、百里、入間(1968年10月解散)、新潟、浜松、小松、芦屋、新田原、那覇の各救難隊 | 航空救難群 →航空救難団 |
上記の各救難隊に1〜2機づつ配備されましたが、2008年10月22日をもって全部隊がU-125Aへの機種改編を終えました。 |
《部隊マーク》
救難教育隊、各救難隊 |
配備当初はノーマーク
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制定 | 1988年10月17日 |
図柄 | 青地のエンブレムに黒で航空部隊を表す鷲、救助を表す手、リボンの中に「Air Rescue」の文字を配した航空救難団のマークと、その下の枠に所属救難隊名をローマ字(救難教育隊は「TRAINING SQ」)で記入 |
このマークは後継機のU-125Aにも使用されています。 |
飛行点検隊 |
制定 | 1960年3月 |
図柄 | 「飛行点検=Flight Check」にちなんだ赤/白チェッカーの帯 ●キャビン窓の内側から部隊のエンブレムを貼っていました。 |
このマークはU-125に機種改編した現在も使用されています。 |
1/72 |
ハセガワ | MU-2S/A
| QP番号の現行パッケージ(生産休止中ですが)には“MU-2A”と表記されていますが、チップタンクは長短2種類のパーツが入っているのでMU-2Sも作れます。このパッケージになった際に金型が改修されて機体各部のアンテナ類などのディテールが追加されましたが、旧パッケージにセットされていたジープ・ウイリスMBの1/72キットはオミットされました。
【限定版キット】
●記念塗装機[4種類、うち1種はUH-60Jとのコンボ]
●トーイングトラクターのパーツ入り (デカールは通常版と同じ)
●“航空救難団” w/牽引車 (浜松救難隊デカールとトーイングトラクターのパーツ入り)
●“救難航空団 50周年記念” w/牽引車[2024年10月発売予定] (救難航空団50周年記念塗装機のデカールとトーイングトラクターのパーツ入り)
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MU-2J
| このキットの発売当初のデカールは民間機だけでしたが、QP番号の現行パッケージ(生産休止中ですが)になった際に空自デカールだけになり、一緒にセットされていたトーイングトラクターの1/72キットはオミットされました。
【限定版キット】
●トーイングトラクターのパーツ入り (デカールは通常版と同じ)
●“飛行点検隊” w/牽引車 (飛行点検隊デカールとトーイングトラクターのパーツ入り)
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1/144 |
プラッツ | MU-2S
| 2014年12月発売。下記エフトイズの完成品をキット化したもので2機入りパッケージになります。デカールにはMU-2Aの機番も入っていますがチップタンクはMU-2Sの短いタイプが一体モールドされています。
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トリプル ナッツ | MU-2A | 3Dプリンタ製キット、透明レジンの窓パーツとデカール付。 |
アニグラン | MU-2S | 2016年2月発売の香港製レジンキットで、US-1Aのキットのオマケに付いているもの。下記A&Wの再生産品とのことです。
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A&Wモデル | MU-2S | 2014年6月発売の香港製レジンキット。透明パーツとデカール付ですが詳細は今のところ不明。
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エフトイズ・ コンフェクト | MU-2S | 【限定版】番外編2014年8月発売、『日本の翼コレクション4』のアイテムで塗装済み完成品。今回の出来は微妙な感じ。(^^;) |
1/700 |
ピットロード | MU-2S? | ホワイトメタル製、US-1A改とセットになっています。
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《デカール》
1/72 | ハセガワ | キット付属 | MU-2S/A | 航空救難団 | 団マーク |
各救難隊ネームプレート | 入間を除く |
キット付属 【絶版】 (旧パッケージ) | MU-2S | 航空救難群 救難教育隊 | 機番のみ |
このキットが出た頃はマークを使っていなかったので機番だけです。 |
NBM21 (プラッツ) | JD-35
| MU-2A | 小松救難隊 [航空救難団] | 航空自衛隊50周年記念塗装 |
浜松救難隊 [航空救難団] | 航空救難団50周年記念塗装 |
MU-2S | 浜松エアーパーク 展示機 |
ハセガワ | キット付属 | MU-2J | 飛行点検隊 | |
1/144 |
プラッツ | キット付属 | MU-2A | 浜松救難隊 [航空救難団] | |
MU-2S | 浜松エアーパーク 展示機 |
トリプル ナッツ | キット付属 | MU-2A | 浜松救難隊 [航空救難団] | 航空救難団50周年記念塗装 |
アシタの デカール (MYKデザイン) | A-402 【限定版】 | MU-2A | 浜松救難隊 [航空救難団] | 航空救難団50周年記念塗装 |
MU-2S | 百里救難隊 [航空救難団] | 航空自衛隊40周年記念塗装 |
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