富士T-1A/B『初鷹』

《シリアルナンバー》

T-1A
85-5801/5802 95-5803/5806 05-5807/5814
15-5815/5835 25-5836/5846
T-1B
85-5801 05-5810 25-5851/5859 35-5860/587085-5801と05-5810は
T-1Aから改造

《実機について》

 T-1は戦後初の国産ジェット練習機として開発されました。当初はエンジンも国産のJ3を装備する予定でしたが間に合わず、ブリストル・オーフュースMk.805を装備したT1F2(T-1A)が先に生産されることになりました。固定武装として機首下面右側に12.7mm機関銃1丁を装備できますが、テストが行われただけで実際に装備されたことはありません。T-1Aの1号機は1958年1月19日に初飛行、J3を装備したT1F1(T-1B)の1号機は1960年5月17日に初飛行しています。

《自衛隊での使用状況》

 T-1Aの1号機は1958年3月25日に航空自衛隊に引き渡されました。1964年6月までにA型46機、B型20機が生産されましたが、A型のうち2機は改造されてB型のプロトタイプになっています。1998年5月からは第13飛行教育団にもT-4の配備が開始され、2000年12月まででT-1による教育訓練は終了、それに伴いT-1Aは2001年2月1日付で全機退役、3月には用途廃止となりました。T-1Bはその後も第5術科学校で使われていましたが、2006年3月3日に最終飛行を行い15日に退役記念式典を行って全機退役しました。愛称は『初鷹』です。

《性能諸元》

T-1AT-1B
全幅10.49m
全長12.12m
全高4.08m
主翼面積22.22u
運用重量2,767kg2,858kg
最大離陸重量4,150kg(クリーン)
4,990kg(増加タンク付き)
4,355kg(クリーン)
発動機ブリストルシドレー・
オーフュースMk.805
ターボジェット×1
石川島播磨
J3-IHI-7B
ターボジェット×1
推力1,815kg1,400kg
燃料容量365gal(機内)
最大605gal
(120gal×2の増加タンク)
415gal(機内)
最大655gal
(120gal×2の増加タンク)
最大速度M0.8(外部搭載なし)M0.78(外部搭載なし)
実用上昇限度53,000ft44,000ft
海面上昇率6,500ft/min5,210ft/min
飛行航続距離923km(増加タンク付き)898km
武装なし(12.7mm機関銃×1搭載可能)
乗員2名

《配備部隊》

(旧部隊名→)部隊名
第13飛行教育団
第5術科学校
実験航空隊→航空実験団→飛行開発実験団
まず実験航空隊で各種テストが行われた後、1960年9月からほぼ全機が第13飛行教育団に集中配備され、初級練習機として使用されていましたが、2001年1月末でT-4に機種改編を終えました。T-1Bのうち若干数は第5術科学校と飛行開発実験団で使用されましたが、2006年3月3日までに全機退役しています。

《部隊マーク》

第13飛行教育団
1961年2月に岐阜基地においてT-6から機種改変した当初はノーマーク
(1962年10月12日に芦屋基地に移動)
●機体は全面無塗装で機首と主尾翼端にディグロウオレンジを配する
初代団マーク制定1961年9月2日
図柄黒フチ黄で「十三」を流線型にデザインしたマーク
●1965年から、潮風による塩害防止(芦屋基地は海岸に面している)のため機体の無塗装部分をグロスホワイトで塗装
2代目団マーク制定不明
(1972年夏頃)
図柄デザインはそのままで色を白に変更
●1972年夏頃から、空中での視認性向上のためグロスホワイト/グロスオレンジレッドの塗り分け(通称『金魚ちゃん塗装』(^_^;))に変更
飛行隊マーク制定不明
図柄デザインはそのままで、第1教育飛行隊は青、第2教育飛行隊は白に色分けされる
最終団マーク制定不明
(1994年頃)
図柄芦屋基地近くの玄界灘の荒波と「十三」を青でデザインしたマーク
このマークは2001年1月末にT-4に機種改編した後も引き継がれています。
第5術科学校
制定1982年10月1日
(この頃T-33Aから機種改変)
図柄青/白で「5」のローマ数字である「V」と小牧基地にちなんだシャチホコを組み合わせたデザインのマーク
実験航空隊→航空実験団→飛行開発実験団
実験航空隊に配備された当初はノーマーク
実験航空隊
時代
制定1964年7月
図柄衝撃波と人工衛星の軌道を組み合わせたデザインの青のマークに、赤で「APG」(Air Proving Group)と書かれたマーク
航空実験団
時代
制定不明
(1974年4月11日に航空実験団に改編)
図柄デザインはそのままで文字を「APW」(Air Proving Wing)に変更
飛行開発
実験団時代
(現マーク)
制定1989年3月10日
(同年3月14日に飛行開発実験団に改編)
図柄航空実験団のマークから「APW」の文字を消し、デザインが若干変更されたマーク

《キット》

1/48 ラクーンモデルT-1A【絶版】レジンキット。デカールは入っていません。
トライアングルT-1A【絶版】レジンキット。脚とシートはホワイトメタル製。デカールは入っていないようです。
1/72 プラッツ T-1A
2019年6月発売、下記B型のバリエーションキット。A/B型の違いはしっかりフォロー(胴体はまるっと別金型!)、エンジンのファンブレードまでもきっちり変えてあります(アピールポイントです!by中の人)。今回のデカールは赤白塗装になった後のものだけですが、無塗装/白塗装時のものも別パッケージで出すことを考えているそうです。→白塗装はB型で、無塗装はA型で出ました!
【デカール替えキット】
(品番が定番品扱いのものをここに載せています)
●1996年芦屋基地祭 特別塗装機 ‘八朔の馬'
●'60 ナチュラルメタル リバリー
【限定版キット】
●ナチュラルメタル マスクシート付属[2024年4月発売予定]
T-1B
2018年12月発売! 2016年静岡ホビーショーでの発表以来待つこと2年半、ようやく21世紀の水準のT-1を手にすることができました。コクピットのインパネはデカール再現で、インテークの奥行きはきっちり再現されています。ただ動翼のスジはもそっとメリハリが欲しかったかなぁ。デカールは5術とADTWだけなのでデカール替えの発売は必至とみますた。→13FTW部隊マーク入りは全面白塗装verで出ました!
【デカール替えキット】
(品番が定番品扱いのものをここに載せています)
●第5術科学校 航空自衛隊50周年記念塗装機
●第1術科学校 航空自衛隊50周年記念塗装機
●小牧 T-1 ファイナル (863号機)
●810号機“飛行開発実験団ラストフライト”
●蒼穹の白鷹(初期塗装全面白)
【限定版キット】
●マスクシート付属
ハセガワT-1A/B
QP番号の現行パッケージ(生産休止中ですが)になる際に、金型が改修されてコクピット内などのディテールが追加されました。なおパッケージには「T-1A/B」とありますが、基本的にはT-1AをモデライズしていますのでT-1Bにするにはほんの少々の改造が必要です。
【限定版キット】
●記念塗装機[6種類]
●トーイングトラクターのパーツ入り
(デカールは通常版と同じ)
●“オールドファッション”(2機入り)
●w/牽引車
(第13飛行教育団/第5術科学校のデカールとトーイングトラクターのパーツ入り)
1/75 日東T-1A【絶版】塗装指定は全面無塗装銀でデカールは日の丸と機番のみ、ついでに富士重工のマークもデカールになっています(恐らくスタンドに貼るのではないかと)。
1/144 エフトイズ・
 コンフェクト
T-1A/B
【限定版】番外編。2007年12月(東日本)発売の『日本の翼コレクション2』のアイテムのひとつになっているもので、塗装済み完成品なので番外としました。プラキットに引けを取らないいい出来なのですが、増槽が省略されているのが残念なところ。なおマーキングはデカールになっています。

《デカール》

1/72 プラッツ キット付属T-1A第13飛行教育団最終団マーク
第13飛行教育団
第1教育飛行隊
第13飛行教育団
第2教育飛行隊
2代目団マーク兼用
キット付属T-1B第5術科学校
飛行開発実験団
キット付属
“'60 ナチュラルメタル リバリー”
T-1A第13飛行教育団初代団マーク
実験航空隊
キット付属
“蒼穹の白鷹”
T-1B第13飛行教育団初代団マーク
実験航空隊
ハセガワキット付属T-1A/B第13飛行教育団初代団マーク
最終団マーク
第13飛行教育団
第1教育飛行隊
第13飛行教育団
第2教育飛行隊
2代目団マーク兼用
T-1B第5術科学校
T-1A/B航空実験団
キット付属
“オールドファッション”
T-1A第13飛行教育団初代団マーク
第13飛行教育団
第2教育飛行隊
2代目団マーク兼用
T-1B実験航空隊
キット付属
【絶版】
(2〜3代目
パッケージ)
T-1A第13飛行教育団
第2教育飛行隊
2代目団マーク兼用
実験航空隊
キット付属
【絶版】
(初代パッケージ)
T-1A第13飛行教育団初代団マーク
メカドールC-1キット付属T-1A/B第13飛行教育団最終団マーク

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