ボーイング・バートル/川崎
           KV-107II-5/IIA-5『しらさぎ』

《シリアルナンバー》

KV-107II-5
74-4801/4802 84-4803/4806 94-4807/4810 04-4811/4814
14-4815 24-4816/4817
KV-107IIA-5
34-4818 44-4819/4820 54-4821 64-4822/4823 74-4824/4825
84-4826 94-4827/4828 04-4829 14-4830/4831 24-4832/4833
34-4834 44-4835 54-4836/4838 64-4839/4841 74-4842/4847
84-4848 94-4849/4850 04-4851/4852

《実機について》

 原型となったのはバートル社(後にボーイング・バートル社を経て現・ボーイング社)が自社開発したターボシャフト双発タンデムローターヘリコプターのモデル107で、1958年4月22日に初飛行しました。これに目をつけたアメリカ陸軍は兵員輸送ヘリコプターYHC-1A(後にYCH-46C)として評価テストを行いましたが結局採用されませんでした。そこでバートル社ではエンジンをパワーアップし各部に改良を加えたV-107IIを製作し1960年10月25日に初飛行、これが1961年2月にアメリカ海兵隊の強襲揚陸作戦用ヘリコプターHRB-1(後にCH-46A)として採用されました。

《自衛隊での使用状況》

 日本では川崎重工がライセンス生産権を獲得し1962年5月にノックダウン生産1号機を進空させました。自衛隊では、海上自衛隊が機雷掃海型としてKV-107II-3を、陸上自衛隊が侵攻/輸送型としてKV-107II-4を、航空自衛隊が救難型としてKV-107II-5を採用しました。
 航空自衛隊では川崎重工製のKV-107II-5を1967年に採用し同年11月21日に1号機を受領しました。18号機以降はエンジンをパワーアップしたCT58-IHI-140(1,400shp)に換装したKV-107IIA-5となり、1990年までに計52機を導入しました。外見上の特徴としては、胴体両側にステアリング可能なサーチライト、捜索用バブルウィンドウ、救助用ホイストなどを装備し、胴体両側のスポンソンタンクは500galのものになっています。
 すでにKV-107II-5は全て退役、KV-107IIA-5も2009年11月3日に最終飛行を行い全機退役し、UH-60Jと交替しました。自衛隊での愛称は『しらさぎ』です。

《性能諸元》

KV-107II-5
主回転翼直径15.24m,3枚羽根(前後とも)
胴体全幅2.21m
胴体全長13.58m
全高5.13m
キャビン寸法W1.83m×L7.37m×H1.83m
運用重量5,495kg
最大離陸重量9,707kg
発動機ゼネラル・エレクトリックCT58-IHI-110-1
ターボシャフト×2
出力1,250shp/19,500rpm(1基)
燃料容量1,350gal(350gal(機内)+500gal×2(スポンソンタンク))
最大速度220km/h(外部搭載なし)
巡航速度212km/h
実用上昇限度14,000ft
海面上昇率1,480ft/min
飛行航続距離1,223km
乗員5名

《配備部隊》

部隊名(旧上位組織名→)
上位組織
救難教育隊(小牧)、千歳、秋田、松島、百里、入間(1968年10月解散)、新潟、浜松、小松、芦屋、新田原、那覇の各救難隊航空救難群
→航空救難団
上記の各救難隊に2〜3機づつ配備されましたが、2009年11月3日をもって全部隊がUH-60Jへの機種改編を終えました。

《部隊マーク》

救難教育隊、各救難隊
配備当初はノーマーク
制定1988年10月17日
図柄青地のエンブレムに黒で航空部隊を表す鷲、救助を表す手、リボンの中に「Air Rescue」の文字を配した航空救難団のマークと、その下の枠に所属救難隊名をローマ字(救難教育隊は「TRAINING SQ」)で記入
記入位置前部ローターパイロン側面
このマークは後継機のUH-60Jにも使用されています。

《キット》

1/48 アカデミー/MRCKV-107IIA-5
米海兵隊仕様のCH-46のバリエーションキットで、スポンソンタンク他が新規パーツで入っています。胴体内張を別パーツにして内部まで再現し、カーゴドアは開/半開/閉状態がそれぞれ別にパーツ化されるなど、かなり気合いの入ったキットかと思いきや、胴体下面やスポンソンと胴体との接合部分あたりはかなり寂しかったり、ローター形状が実機と全然違ったりしてアンバランスです。
1/72 フジミKV-107II-5
KV-107IIA-5にするには若干の改造が必要です。リリース当初の定番パッケージのほか、後に写真パッケージのデカール替えが4種類出ましたが(2005年4月時点)すべて定番品となっています。
エアフィックスV-107/UH-46
KV-107IIA-5にするには若干の改造が必要ですが、その労力はフジミのキットに向けるのが健全でせう(笑)。
1/90 アリイCH-46【絶版】型式は不明ですがボックスアートは米海兵隊で、スポンソンはタンクではない小型のものです。入手困難な上に自衛隊型にするには改造が必要ですが、このスケール唯一のキットなので入れときました。
1/100 タミヤKV-107II
-3/-4/-5
【絶版】ミニジェットシリーズ。KV-107IIA-5にするには若干の改造が必要です。2003年12月にスポット再販されました。
1/118 イマイKV-107II-4
【絶版】入手困難な上に航空自衛隊型にするには改造が必要ですが、このスケール唯一のキットなので入れときました。
1/144 FEレジンCH-46Aチェコ製のレジンキット。入手困難な上に自衛隊型にするには改造が必要ですが、このスケール唯一のキットなので入れときました。
エフトイズ・
   コンフェクト
KV-107IIA-5
【限定版】番外編。『ヘリボーンコレクション4』のアイテムのひとつになるものです。塗装済み完成品なので番外としましたが、プラキットと並べても遜色のない出来です。胴体側面のサーチライトが省略されているのが残念。
1/350 ブロンコ CH-46Eクリヤープラ製で4機入り。スポンソンを膨らませる必要があります。下記「ニューヨーク」の搭載機を独立させたものと思はれ。
CH-46Eアメリカ海軍ドック型輸送揚陸艦「LPD-21ニューヨーク」のキットに搭載機として入っています。
トランペッターCH-46Eクリヤープラ製で6機入り。スポンソンを膨らませる必要があります。下記「ニューヨーク」の搭載機を独立させたものと思はれ。
モノクローム
(トランペッター)
CH-46Eアメリカ海軍ドック型輸送揚陸艦「LPD-21ニューヨーク」のキットに搭載機として入っています。
ラーセナルCH-46レジン製でローター等のエッチングパーツ付き。スポンソンを膨らませる必要があります。
1/700 ドラゴンCH-46強襲揚陸艦「タラワ」「サイパン」のキットと「U.S. MARINE AMPHIBIOUS FORCE」(これは絶版か?)に入っています。スポンソンを少し膨らませる必要があります。
ホビーボスCH-46アメリカ海軍強襲揚陸艦「LHD-1ワスプ」「LHD-2エセックス」「LHD-3キアサージ」「LHD-4ボクサー」「LHD-5バターン」「LHD-6ボノム・リシャール」「LHD-7イオー・ジマ」「LPD-21ニューヨーク」のキットに搭載機として入っています。
オレンジホビーCH-46レジン製4機入りでローター等のエッチングパーツ付き。
ホワイトエンサイン
モデル
CH-46胴体はレジン製でモールドも何もありませんが、ローターはエッチングでシャープな出来です。スポンソンを少し膨らませる必要があります。

《デカール》

1/48 アカデミー
/MRC
キット付属KV-107IIA-5浜松救難隊空自創設50周年
記念塗装
浜松広報館
展示機
1/72フジミキット付属
(航空自衛隊)
KV-107II-5国籍マークと
機番のみ
キット付属
(新潟救難隊40周年)
KV-107IIA-5新潟救難隊部隊創設40周年
記念塗装
キット付属
(航空自衛隊40周年)
KV-107IIA-5百里救難隊空自創設40周年
記念塗装
キット付属
(浜松救難隊30周年)
KV-107IIA-5浜松救難隊部隊創設30周年
記念塗装
キット付属
(航空自衛隊50周年)
KV-107IIA-5浜松救難隊空自創設50周年
記念塗装
1/100 タミヤキット付属
【絶版】
KV-107II-5国籍マークと
機番のみ
航空救難団のマークや各救難隊のネームプレートは入っていません。

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