日本航空機製造
      YS-11P/PC/C/FC/NT/E/EA/EL/EB

《シリアルナンバー》

基本形式YS-11P
52-1151/1152 62-1153/1154
YS-11PC82-1155
YS-11C
92-1156/1157 02-1158/1159
12-1161/1163
YS-11FC
12-1160
改造型YS-11P02-1158元YS-11C
YS-11FC
52-1151 62-1154元YS-11P
YS-11NT
92-1156元YS-11C
YS-11EA12-1162/1163元YS-11C→YS-11E
YS-11EB
82-1155 92-1157 02-1159
12-1161
元YS-11PC/C→YS-11EL

《実機について》

 YS-11は戦後日本が初めて開発したターボプロップ双発の近距離輸送機です。初飛行は1962年8月30日で、合計182機生産されました。
 YS-11には、最初の型であるYS-11-100と、最大離陸重量を10,000kg増加して24,500kgにしたYS-11A-200/300/400、さらに増加させて25,000kgにしたYS-11A-500/-600とがあります。また、YS-11-100/A-200/A-500は旅客型、YS-11A-300/A-600は貨客混載型、YS-11A-400は貨物型ですが、YS-11A-400は民間型はなく海上自衛隊のYS-11M/M-Aと航空自衛隊のYS-11Cのみです。

《自衛隊での使用状況》

 自衛隊では航空自衛隊と海上自衛隊で採用され、航空自衛隊では1965年3月30日から1971年7月15日にかけて13機のYS-11を導入しました。基本型式は人員輸送型YS-11P(YS-11-100ベース)、貨客兼用輸送型YS-11PC(YS-11A-300ベース)、貨物輸送型YS-11C(YS-11A-400ベース)、飛行点検型YS-11FC(YS-11A-200ベース)で、改造型には航法訓練型YS-11NTECM訓練型YS-11E/EAELINT型YS-11EL/EBがあります。EA/EB型はE/EL型のエンジンをRRダート(2,775shp)からアリソンT64-IHI-10J(3,490shp)に換装したタイプで、エンジンナセルの形状が大きく変わったほか、プロペラもダウティロートルの4枚羽根からハミルトン・スタンダード60E60-27の3枚羽根になっています。

 なお2017年5月29日にYS-11P#152が退役、2021年3月17日にはYS-11FC#151が退役したため、2021年3月現在で日本国内に残るYS-11は航空自衛隊のYS-11EA/EBのみとなっています。

《性能諸元》

YS-11P
全幅32.00m
全長26.30m
全高8.98m
主翼面積94.8u
キャビン寸法W2.7m×L17.2m×H1.9m
運用重量16,060kg
最大離陸重量23,500kg
発動機ロールスロイス・ダートMk.542-10K
遠心式ターボプロップ×2
出力2,775shp/15,000rpm(1基)
プロペラダウティロートルR209/4-40-4.5/2
直径4.42m/4枚羽根
燃料容量1,920gal(機内)
巡航速度480km/h
実用上昇限度20,000ft
海面上昇率1,430ft/min
飛行航続距離2,334km(最大)
乗員3名+客室46名

《配備部隊》

YS-11P/PC/C
(旧部隊名→)部隊名[(旧上位組織→)上位組織]
輸送航空隊[輸送航空団]
 →第401飛行隊[輸送航空団→輸送航空団第1輸送航空隊→第1輸送航空隊]
木更津航空隊[輸送航空団]→入間航空隊[輸送航空団]
 →第402飛行隊[輸送航空団入間航空隊→輸送航空団第2輸送航空隊
           →第2輸送航空隊]
教育飛行隊[輸送航空団]
 →第403飛行隊[輸送航空団第3輸送航空隊→第3輸送航空隊]
当初は輸送航空隊と木更津航空隊に配備され、その後教育飛行隊にも配備されました。1984年からは第401飛行隊へのC-130Hの配備に伴い、所属していたYS-11は1989年までに第402,第403飛行隊に振り分けられました。2001年には乗員教育を行っている第403飛行隊で輸送用YS-11を一元的かつ効率的に運用することとなり、第402飛行隊に配備されていたYS-11Pは2001年10月4日までに第403飛行隊に移管されました。

YS-11FC
部隊名
飛行点検隊

YS-11NT
部隊名上位組織
第403飛行隊第3輸送航空隊
2015年10月16日、用廃に伴う記念式典が美保基地で開催されました。

YS-11E/EA
部隊名上位組織
航空実験団→飛行開発実験団
電子訓練隊→電子戦支援隊→電子戦隊航空総隊司令部飛行隊
  →航空戦術教導団電子作戦群
YS-11Eの1号機(12-1163)は、1976年3月の配備当初から航空総隊司令部飛行隊電子訓練隊に配備されました。同機はYS-11EAに改造された1992年2月に飛行開発実験団に移管されてテストが行われ、翌1993年7月に航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊に配備されています。

YS-11EL/EB
部隊名上位組織
航空実験団→飛行開発実験団
電子飛行測定隊航空総隊司令部飛行隊→航空戦術教導団電子作戦群
YS-11ELの1号機(12-1161)は、1982年9月29日の配備当初は航空実験団でテストが行われ、翌1983年に航空総隊司令部飛行隊電子飛行測定隊に配備されています。

《部隊マーク》

輸送航空隊→第401飛行隊
配備当初はノーマーク
輸送航空団
マーク
制定不明
図柄青い丸をバックに白で桜の花の形をデザインしたマーク
第1輸送
航空隊マーク
[最終マーク]
制定1978年8月11日
図柄青い「1」をバックに赤で小牧基地にちなんだシャチホコを日本地図風にデザインしたマーク
木更津航空隊→入間航空隊→第402飛行隊
配備当初はノーマーク
輸送航空団
マーク
制定不明
図柄青い丸をバックに白で桜の花の形をデザインしたマーク
第2輸送
航空隊マーク
[旧マーク]
制定1978年8月11日
図柄黄色い鷲が広げた翼が「2」を象ったマーク
第2輸送
航空隊マーク
[最終マーク]
制定1988年3月1日
図柄青地に銀の鷲が赤い日本地図と稲妻の上を飛ぶ、第2輸送航空隊のパッチと同じデザインのマーク
教育飛行隊→第403飛行隊
配備当初はノーマーク
輸送航空団
マーク
制定不明
図柄赤い丸をバックに白で桜の花の形をデザインしたマーク
(第401、402飛行隊と同デザインの色違い)
第3輸送
航空隊マーク
[初代マーク]
制定1978年8月11日
図柄青い丸に「輸送航空団=Air Transport Wing」の頭文字「ATW」と「3」を白で桜の花の形にデザインしたマーク
第3輸送
航空隊マーク
[2代目マーク]
制定不明(1991年5月頃)
図柄コールサインの「コメット」に由来した、青い丸に箒に乗って「3」の形の航跡を描いて飛ぶ黄の魔女をデザインしたマーク
第3輸送
航空隊マーク
[現マーク]
制定不明(1994年8月頃)
図柄美保基地近くの出雲地方の神話にちなんで、黄土色の丸に白/黒で大黒様と因幡の白兎をデザインしたマーク
航空総隊司令部飛行隊電子戦支援隊
制定1962年9月
図柄赤・黄・青のシェブロンに各方面隊をなぞらえカタカナの“ヒ”(飛)を表わした航空総隊司令部飛行隊のマーク
2009年2月にIRAN明けした#162はEB型同様のグレー2色塗装になり、部隊マークは描かれなくなりました(泣)。#163も次のIRANで同様の塗装になると思われます。→なりました。(;_;)
航空戦術教導団電子作戦群電子戦隊
制定不明(2023年11月に確認)
図柄グレーのヘルメットを被った黒/グレーのカラスと、その上げた足先から電子戦の3要素(電子攻撃、電子防護。電子戦支援)を表す3本の電光
2023年11月4日にTwitter(現・X)に写真が上がりました。
飛行点検隊
制定1960年3月
図柄「飛行点検=Flight Check」にちなんだ赤/白チェッカーの帯
航空実験団→飛行開発実験団
航空実験団
時代
制定1964年7月(実験航空隊時代)
(1974年4月11日に航空実験団に改編)
図柄衝撃波と人工衛星の軌道を組み合わせたデザインの青のマークに、赤で「APW」(Air Proving Wing)と書かれたマーク
飛行開発
実験団時代
(現マーク)
制定1989年3月10日
(同年3月14日に飛行開発実験団に改編)
図柄航空実験団のマークから「APW」の文字を消し、デザインが若干変更されたマーク
航空総隊司令部飛行隊電子飛行測定隊
部隊マークは使用していません。

《キット》

1/72 プラッツYS-11[発売するのかどうか不明]2018年2月にツインメッセ静岡で開催されたUAMC(空モデル大展示会)会場にて、木型模型が参考出品されました。これは期待するなというほうが無理です。
(*´∀`*)
バンダイ東亜国内航空型/
YS-11P
【絶版】古いうえに機首やエンジン回りが実感を損ねています。航空自衛隊型は絶版になっている東亜国内航空型と同パッケージになっているため手に入りにくいですが、海上保安庁/海上自衛隊型のパッケージが再版されていますのでキットそのものは入手可能です。
NMC
(North wing
 Model Craft)
YS-11EA/EBバンダイ用のレジン製改造パーツ。エンジンナセルとプロペラ、機体各部のレドームとアンテナ類に加え、「似ていない」と定評があった(笑)機首を直すパーツも入っています。
1/144 ハセガワYS-11P/PC/C
【すべて限定版】最新のキットで、窓はデカール再現になっています。PC/C型の後部胴体にある大型カーゴドアはデカール再現、E/EL型の機体各部にあるレドームやバルジはレジン製パーツが入っています。また、記念塗装機のデカール入りパッケージもYS-11Pが3種類、YS-11FCが1種類発売された他、2021年8月にはYS-11PとYS-11FCのラストフライト記念2機入りキットが発売されています。2024年11月には空自のP型と海自のT-A型の2機セットが発売されました。
 なお海上保安庁型や民間型は定番キットのはずですが、店頭ではあまり見掛けません。
YS-11FC
YS-11E
YS-11EL
FOXONEYS-11EA
(レジン製
改造パーツ)
【受注生産品】対象キットはハセガワとなっていますが、童友社のキットにも使える模様。MDプリンタ製デカール(部隊マークは描かれていないので機番のみ)付き。
YS-11EB
(レジン製
改造パーツ)
1/200 プラッツYS-11FC
胴体・主翼等はレジン、脚柱はホワイトメタル、プロペラや脚扉にはエッチングを使ったマルチマテリアルキット。#160号機のみに付いているAPU用のインテークもメタルパーツで入っています。
1/300 エフトイズ・
   コンフェクト
YS-11P
【限定版】番外編『名機の翼コレクション』のアイテムです。塗装済み完成品ですがプラキットと並べても遜色のない出来で、またこのスケール唯一のものなので入れときました。なおYS-11FCはシークレットアイテムです。
YS-11FC
YS-11P【限定版】番外編。2015年12月発売の『日本の輸送機コレクション』のアイテムのひとつ。中身は恐らく上記のモノの塗装替えです。
YS-11C
1/700 ピットロードYS-11P/PC/C【限定版】ホワイトメタル製。「ザ・ウエスト・ウイングス2」のスペシャルバージョンに付属。このスケールだと細かいタイプの違いはこだわっても意味がないかも。(^_^;)

《デカール》

1/72 バンダイキット付属
【絶版】
YS-11P国籍マークと機番のみ
NMCキット付属YS-11EA航空総隊司令部飛行隊
電子戦支援隊
YS-11EB航空総隊司令部飛行隊
電子飛行測定隊
部隊マークはないので機番のみです。
1/144 ハセガワキット付属
(航空自衛隊)
【限定版】
YS-11P/PC/C第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
最終マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
2代目マーク
現マーク
キット付属
(飛行点検隊)
【限定版】
YS-11FC飛行点検隊
キット付属
(電子戦支援機)
【限定版】
YS-11E航空総隊司令部飛行隊
電子戦支援隊
キット付属
(電子測定機)
【限定版】
YS-11EL航空総隊司令部飛行隊
電子飛行測定隊
部隊マークはないので機番のみです。
アシタの
デカール
(MYKデザイン)
A-361
【限定版】
YS-11P/C/FCコーションデータ1機分
YS-11C第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
現マーク
航空自衛隊50周年記念塗装機
(初回出荷分限定)
A-362
【限定版】
YS-11P第402飛行隊
[第2輸送航空隊]
旧マーク
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
現マーク
YS-11C第401飛行隊
[第1輸送航空隊]
第403飛行隊
[第3輸送航空隊]
初代マーク
2代目マーク
YS-11FC飛行点検隊
1/200 プラッツキット付属YS-11FC飛行点検隊

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