ボーイングAH-64Dアパッチ・ロングボウ

《シリアルナンバー》

AH-64D
74501/74513

《実機について》

 AH-64アパッチはAH-1コブラの後継機としてヒューズ社(後にマクダネル・ダグラス・ヘリコプターズ社を経て現ボーイング社)が開発したターボシャフト双発の戦闘ヘリコプターです。原型機YAH-64Aは1975年9月30日に初飛行し、ベルYAH-63Aとの比較飛行審査の結果1976年12月10日にアメリカ陸軍に採用されました。AH-64Aアパッチの量産1号機は1984年1月26日にアメリカ陸軍に引き渡されましたが、価格高騰などの要因により811機が生産されたに留まりました。量産最終号機は1994年12月に納入されています。また、イスラエル、サウジアラビア、UAE(アラブ首長国連邦)、エジプト、ギリシャでも使用されています。

 AH-64Dアパッチ・ロングボウはAH-64Aの発展型で、ロングボウ火器管制レーダー(FCR)システムの搭載(主ローターマスト頂部にAN/APG-78ロングボウ・レーダーを装備)、通信機器やデータバスのデジタル化、搭載電子機材の増加に伴う前方電子機器室(機首側面左右のバルジ)の拡大、エンジンのパワーアップなどが行われています。なお、ロングボウ・レーダーを装備しないタイプもあり、当初はこのタイプをAH-64Cと呼んでいましたが、1993年末からはどちらもAH-64Dと呼ばれています。

 アメリカ陸軍向けにはすべて既存のAH-64Aを改修するため、まずAH-64A量産2号機を改造しローターマストにダミーのロングボウ・レドームを取り付けた空力試験機が1991年3月11日に初飛行、次いで再生試作(改造)初号機が1992年4月15日に初飛行し計6機の試作機で試験が行われました。量産再生AH-64Dの1号機は1997年3月17日に初飛行、4月1日にアメリカ陸軍に引き渡されています。当初アメリカ陸軍は保有する758機のAH-64AをすべてAH-64Dに改造する意向で、そのうちロングボウ・レーダーを装備するのは約3割になる見込みでしたが、最終的に501機の改造と全機に対しロングボウ・レーダーを装備する方針に変更されました。

 量産改造型は、初期にアメリカ陸軍に引き渡されたロット1〜6の284機はブロックI、続くロット7〜14の313機がブロックIIと呼ばれています。ブロックIIのうちロット11以降の96機は当初の改造予定数から追加された分で拡張型(EXT)と呼ばれ、ブロックIIIへの改造を見越した内容になっています。続いて新造機となるブロックIIIは1号機が2011年10月にアメリカ陸軍に納入され、2012年にAH-64Eアパッチ・ガーディアンと改称されました。

《自衛隊での使用状況》

 陸上自衛隊では2001年8月27日、AH-1Sの後継となる次期戦闘ヘリコプターとしてAH-64Dアパッチ・ロングボウを選定したと発表しました。陸自向けの機体はブロックIIのロット7に相当する新造機で、スタブウイング端に自衛用のスティンガーAAMを装着できるようになっている特別仕様であるため、ボーイング社での社内名称は「AH-64DJP」とされています。1号機は2004年12月15日にボーイング社メサ工場で初飛行、2005年12月18日に富士重工に到着しました。2006年1月25日に来日後の初飛行を行い、3月15日に陸上自衛隊に納入、翌16日に2号機とともに明野駐屯地へフェリーされました。2007年3月15日には部隊使用承認が取得されています。

 当初予定では60機が導入される予定であったものの、防衛省は2007年8月31日に発表した2008年度予算の概算要求において、本機の総取得機数を見直し合計13機で調達を打ち切る方針を明らかにしました。2011年3月までに10機が納入されていましたが、一時は2008年度以降の発注を見送り、合計10機の調達で終了する見込みと言われていました。しかし2010年12月に策定された中期防衛力整備計画(2010年度〜2014年度対象)で残りの3機を調達する方針となり、これにより2011年度から2013年度の予算で各1機づつが調達されました。2014年度(#74511)と2015年度(#74512)に1機づつ納入され、最終号機となる#74513は2016年度に納入される予定となっています。

《性能諸元》

AH-64D
主回転翼直径14.63m,4枚羽根
翼幅5.23m
胴体全長15.47m
最大高
(FCR上端まで)
4.95m
全高
(テイルフィン先端まで)
3.54m
基本空虚重量5,352kg
最大離陸重量
(通常ミッション)
8,006kg
発動機ゼネラル・エレクトリックT700-GE-701C
ターボシャフト×2
出力1,940shp(1基)
燃料容量376gal(機内)
最大速度365km/h(外部搭載なし)
実用上昇限度13,960ft
海面上昇率1,475ft/min
飛行航続距離482km
武装M230E1 30mmチェーンガン×1
AGM-114ヘルファイア対戦車ミサイル×4〜16
M261 2.75inロケット弾ポッド×2〜4
乗員2名

《配備部隊》

部隊名上位組織
第3対戦車ヘリコプター隊[IIIATH]西部方面航空隊
飛行実験隊[TE]開発実験団
明野本校[S]航空学校
教育支援飛行隊[SD]
霞ヶ浦校[SK]
航空学校明野本校所属の1号機と3号機、同教育支援飛行隊所属の2号機は、2006年度末までは飛行実験隊に管理換えされ飛行試験に供されていましたが、2007年3月15日に部隊使用承認が取得されたことに伴い元の部隊に戻されました。2010年3月10日には9号機が目達原駐屯地に到着、12日に第3対戦車ヘリコプター隊に配備されました。今後、教育用として明野と霞ヶ浦に若干数を残すほかは、全て目達原に集中配備されます。

《キット》

1/35 アリイAH-64D2001年11月発売。MRCのOEMのようです。
カンナムAH-64D未だデッドコピーを製品化することから抜け出ていないこのメーカーのことですから、これもどこかのキット(MRC?)のコピーなのでせうか。
1/48 ハセガワAH-64D
2009年3月にようやく定番品として発売されました。2007年6月に発売された限定版でスタブウイング端のスティンガーAAMのパーツが追加されましたが、定番化に際しさらに細かい差違をきちんとフォローしたものとなっています。またディテールアップ用のエッチングパーツも発売されました。
 なお実機到着前の2002年11月と2005年11月に、架空の塗装とマーキングの陸上自衛隊バージョンが発売されています。キットの方はヘリキットの常識を覆す力の入りようで、パーツ数もハンパぢゃありません。
ドイツレベルAH-64D最近のハセガワとドイツレベルとの関係からいって、ハセガワのOEMかも知れません。
アカデミーAH-64D胴体両側面のバルジもきちんとAH-64Dしています。
イタレリWAH-64Dいちおう量産型してるようです。キットはイギリス陸軍向けWAH-64D(アパッチAH.1)とされているため、スタブウィング端の自衛用ヘルストリーク空対空ミサイルもパーツ化されています。
AH-64DAH-64Aのキットにロングボウ・レドームを入れただけのもので、箱の裏の塗装図にはきちんと『DEMO AIRCRAFT』と書かれています。
1/72 アカデミーAH-64D
2015年7月発売(ただしこの時点でアカデミーの日本代理店が未定なので並行輸入している限られたお店でのみ入手可)の完全新金型キット。ようやくナナニでも量産型AH-64Dがストレートに作れるキットが登場しました(歓喜)。ブロックII初期型なのでいちおう陸自型と同タイプですが、スタブウイング端のスティンガーAAM発射器はパーツになっていません。残念。
童友社AH-64D2009年12月発売。下記ホビーボスのキットにオリジナルの陸自デカールを入れたものです。なので当然再生試作機。(~。~;)
ホビーボスAH-64D2007年12月発売の最新キット。それなのに、嗚呼それなのに、何故にまだ再生試作機で出しますか?ヽ(`Д´)ノウワァァン!!
エアフィックスAH-64D
2004年7月発売。それなのに、嗚呼それなのに、何故に今さら空力試験機なのでつか?(号泣)。イギリス陸軍とオランダ空軍が入っているせっかくのいいデカールが台無しぢゃんか。。・゚・(ノД`)・゚・。
ミラージュAH-64D
2002年9月に日本に入ってきたポーランド製のキット。なのですが残念ながらイタレリ同様再生試作機のモデライズでした。
イタレリAH-64D
(赤箱→青箱)
1997年に発売されたキット。再生試作機をモデライズしているので量産型とは細部に相違があります。
AH-64D
(黄箱)
AH-64Aのキットにロングボウ・レドームを入れただけのものなので、空力試験機ということになります。
ハセガワAH-64D
AH-64Aのキットにロングボウ・レドームが入っただけのものですが、インストにはきちんと『空力試験機』と書かれています。(^_^;)
ArmycastAH-64D
(レジン製改造パーツ)
チェコのメーカーが出している、アカデミーのAH-64A用レジン製改造パーツ。日本では入手しづらいのが難点。詳細はこちら
1/100 ドイツレベルAH-64Dスナップキット
1/144 ドイツレベルAH-64D
キットは空力試験機ですがデカールは試作改造2号機です。ドラゴンのキットと同じものと思はれ。
AH-64D同じタイトルでややこしいのですが、きちんと量産型してるキットも出ています。
エースAH-64D
2011年5月発売の韓国製キット。ドイツレベルの量産型と中身は同じで価格が大幅に安いのでお買い得。
ドラゴン
(上海ドラゴン)
AH-64D
童友社AH-64D
【限定版】番外編。塗装済み半完成品のシリーズ『現用機コレクション』第8弾。元は国内未発売のドラゴンの完成品と思われますが、残念ながら再生試作機です。このスケールの限界なのでせうが、ローター周りのディテールの省略が激しいです。
AH-64D
【限定版】番外編。塗装済み半完成品のシリーズ『現用機コレクション』第11弾。今回はF-15J、F-4EJ改とのアソートで、AH-64Dは全6種(+スペシャルのF-4EJ改)のうち2種類になります。モノ自体は上記の第8弾と同じです。
AH-64D【限定版】番外編。塗装済み半完成品のシリーズ『現用機コレクション』第18弾。モノ自体は上記2種と同じですし、機番しか違いがないから買う気になりません。(^◇^;)
エフトイズ・
コンフェクト
AH-64D
【限定版】番外編。2013年2月発売の『ヘリボーンコレクション5』のアイテムのひとつになっているものです。後発だけに童友社のものと比べるのは失礼というものですw
1/700 ピットロードAH-64A/Dホワイトメタル製。ロングボウ・レドームの有無でA/D型を分けるようになっていますが、このスケールですから細かいことは言いっこなしですね。(^_^;)
AH-64D「世界の軍用ヘリコプター(1)」に付属。もちろんプラ製です。
アオシマAH-64D海上自衛隊ヘリコプター搭載護衛艦「DDH-181ひゅうが 離島防衛作戦」のキットに入っています。
ホワイトエンサイン
モデル
AH-64いちおうAH-64Aのようですが、このスケールですからロングボウ・レドームを乗せればAH-64Dに見えるでせう。胴体はレジン製でモールドも何もありませんが、ローターや水平安定板などはエッチングでシャープさではピカいちです。

《デカール》

1/48 ハセガワキット付属AH-64D第1対戦車ヘリコプター隊
第2対戦車ヘリコプター隊
第3対戦車ヘリコプター隊
第4対戦車ヘリコプター隊
第5対戦車ヘリコプター隊
飛行実験隊
航空学校明野本校
航空学校霞ヶ浦校
航空学校教育支援飛行隊
第1、第2、第4、第5の各マークは架空になってしまいますた。(´・ω・`)
フライングパパス48M051AH-64D航空学校霞ヶ浦校
実機配備前の製品化だったので塗装指示はフェイクです。機首にはアパッチ族を描いたらしきエンブレムも付きます。デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。ホビーセンターえんどうでのみ入手できます(通販可)。
1/72 童友社キット付属AH-64D 航空学校明野本校
航空学校霞ヶ浦校
航空学校教育支援飛行隊
フライングパパス72M069AH-64D航空学校霞ヶ浦校
1/48と同じ内容です。デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。ホビーセンターえんどうでのみ入手できます(通販可)。
ArmycastACD72001AH-64D航空学校明野本校
陸自のほかイギリス陸軍、オランダ空軍、ギリシャ陸軍、シンガポール空軍のデカールと、陸自機用のスキーとオランダ空軍機用のECM装置のレジンパーツがセットになっています。詳細はこちら。上の方で紹介した同社のAH-64D改造パーツセットと併用するのがよろしいかと。
1/144 アシタの
デカール
(MYKデザイン)
A-334AH-64D 航空学校明野本校
航空学校霞ヶ浦校
航空学校教育支援飛行隊
第3対戦車ヘリコプター隊
いずれも部隊記号のみ。2012年の明野駐屯地航空祭に登場した航空学校創設60周年記念塗装機のデカールも入っています。

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