スバル/ベルUH-2(UH-X)
《シリアルナンバー》
XUH-2 | 45001 | 2018ー2021 |
UH-2 | 45151/45165 | 2024年7月現在、45151はXUH-2から変更 |
《実機について》
UH-2は、ベル412シリーズの最新型ベル412EPiを元にスバルとベルが共同開発した民間機「スバル/ベル412EPX」をベースとした、UH-1Jの後継機となるターボシャフト双発の汎用ヘリコプターです。UH-1J(ベル205B-2)の元となったUH-1H(ベル205)を双発エンジンにしたUH-1N(ベル212)をもとに、メインローターを4枚にするなどの改良を加えた機体がベル412で、1979年8月3日に初飛行しました。その後エンジンを強化し燃料搭載量を増やした412SP、さらにエンジンを強化し変速機を改良した412HP、デュアル・デジタル自動飛行制御システムを備えた412EPと発展し、最新モデルの412EPiでは統合型デジタルコクピットを備えエンジンをFADEC(Full Authority Digital Engine Control―全自動デジタルエンジンコントロール)を採用したものに換装しています。また412EPの生産途中から、テイルブームに取り付けられる2枚のストレーキと後縁を切り欠いたバーティカルフィンから構成されるファストフィン・システムを装備しています。
412EPXはベル412EPiのメインローター・ギアボックスを強化し、ドライラン能力(潤滑油が抜けた状態でも一定時間の飛行が可能)を備えた新型トランスミッションを採用しています。また、陸自向けとしては対弾・対衝撃座席やセルフシーリング燃料タンクの装備、ヘリコプター映像伝送装置や赤外線監視装置の搭載などの改造がなされています。
《自衛隊での使用状況》
防衛省は2015年7月15日、「新多用途ヘリコプター(UH-X)」として富士重工業(株)(現・(株)SUBARU)と米国ベル・ヘリコプター社との共同開発機に決定したと発表しました。試作1号機(飛行試験用供試機)は2018年12月25日に初飛行を行い、2019年2月28日に防衛装備庁に納入され、3月8日には陸上自衛隊に領収され名称もXUH-2となりました。2021年6月24日には部隊使用承認が下りてUH-2として運用されることとなり、シリアルナンバーも 45001 から 45151 に変更されました。2022年5月19日には量産1号機(45152)が初飛行、6月30日には納入式が執り行われました。2024年7月現在で15機が引き渡されています。
今後の調達予定として、2021年度予算で7機、2021年度補正予算で13機が発注されました。2022年にこれまで5年ごとに見直しを行っていた「中期防衛力整備計画」を「防衛力整備計画」に改訂し(これにより31中期防は2022年度で終了)、期間を10年とすることが決まりましたが、その初年度となる2023年度予算では13機の調達予算が計上されました。2024年度予算概算要求では16機の調達予算が計上されています。最終的にはUH-1J全機を代替する形で150機程度の導入が見込まれています。
| ベル412EPi
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主回転翼 | 直径14m,4枚羽根 |
胴体全幅 | 2.86m |
胴体全長 | 13.1m |
全高 | 4.6m |
最大全備重量 | 5,398kg |
発動機 | プラット&ホイットニー・カナダ PT6T-9ターボシャフト×2 |
出力 | 900shp×2 |
標準燃料 | 331gal(機内) |
超過禁止速度 | 259km/h |
最大巡航速度 | 226km/h |
飛行航続距離 | 674km |
標準座席数 | 1名+14名 |
《配備部隊》
部隊名 | 上位組織 |
中部方面ヘリコプター隊[MH] | 中部方面航空隊 |
西部方面ヘリコプター隊[W] | 西部方面航空隊 |
飛行実験隊[TE] | 開発実験団 |
明野本校[S] | 航空学校 |
霞ヶ浦校[SK] |
量産1号機(45152)は2022年6月30日の納入式典時に明野本校所属を示す「S」が記入されており、7月13日には同校で訓練開始式が挙行されました。 |
《キット》
※UH-2そのものはキット化されていませんが、1/48にはベル212を412にする改造パーツが、1/72にはCH-146/ベル412のキットが、1/144にはベル412の食玩があるので改造すればそれらしいものは作れるのではないかと。(^^; →2023年3月に1/144で初のキット(?)化!
1/48 |
ベルチャービッツ | CH-146 (レジン製改造パーツ)
| イタレリ(エレール)1/48 UH-1Nを、カナダ空軍が採用しているCH-146グリフォン(ベル412EPの軍用型)に改造するためのカナダ製レジンパーツ。4枚ローターのローターヘッドとブレード、トランスミッションフェアリング、ホイスト、ワイヤーカッター、座席などがセットされています。 |
ワイリーバード | Fast Fin for Bell212/412 (レジン製改造パーツ) | [発売予定、時期不明]イタレリ(エレール)1/48 UH-1Nのバーティカルフィンをファストフィン・システムの形状にするためのイギリス製改造パーツ。発売済みの1/72にはテイルブームのストレーキは入ってないので恐らく1/48にも入っていないでせう。(^^; |
1/72 |
イタレリ | CH-146
| 1997年発売。現時点でベル412の唯一のキットです。 |
ドイツレベル | ベル412 | イタレリの箱・デカール替えです。パーツ追加もあるようです。 |
アストロキット | アグスタ・ベル AB412 | イタレリの箱・デカール替えです。 |
ワイリーバード | Fast Fin for Bell212/412 (レジン製改造パーツ) | イタレリのUH-1NとCH-146のバーティカルフィンをファストフィン・システムの形状にするためのイギリス製改造パーツ。テイルブームのストレーキは入ってないので自作する必要があります。 |
1/144 |
トミーテック | UH-2 | 番外編 2023年3月発売。Nゲージ鉄道模型のストラクチャーとして展開している『ジオコレ』の新シリーズ、「GJ!はたらくのりもの百景」の第3弾「自衛隊防災訓練現場」に含まれるアイテムのひとつになっているもので、塗装済み半完成品です。ジオコレはNゲージに合わせてあるので1/150スケールですがこのUH-2だけは1/144で、飛行状態で再現されています。 |
エフトイズ・ コンフェクト | ベル412 | 【限定版】番外編。2015年3月発売、『ヘリボーンコレクション5』のアイテムのひとつになっているもので塗装済み半完成品。機首周りやバーティカルフィンなど改造ポイントは多そう。(^^; |
《デカール》
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