ベル47D-1/G/G-2/G-2A『ひばり』
《シリアルナンバー》
ベル47D-1 |
館空-101/104 | 警備隊時代 |
8721/8724(元 館空-101/104),8725 | 海自時代 |
ベル47G | 8721/8725 | ベル47D-1を改修 |
ベル47G-2 | 8726/8727 | |
ベル47G-2A
| 8751/8758 | |
《実機について》
戦闘機メーカーとしてはあまりパッとしなかったベル社が、ヘリコプター開発に乗り出した記念すべき第1作で、その後のベル社のヘリコプターメーカーとしての礎を築いた大傑作機です。1943年から開発が開始され、1945年12月8日に初飛行した原型機モデル47が1947年になってアメリカ陸軍にR-13スー(1943年にH-13と改名)として採用され、2,000機以上が生産されました。
H-13D(ベル47D-1)は初めて大型のバブルキャノピーを採用したH-13B(ベル47D)の発展型で、キャビンを拡大して3人乗りにして後部胴体の外板をなくし、スキッド式の降着装置と腹びれを付け、燃料タンクを高い位置に配したモデルです。H-13EはH-13Dに複操縦装置を付けたモデルです。H-13G(ベル47G)はコクピット後方の燃料タンクが左右1個づつになり、水平安定板が追加されたモデルです。H-13H(ベル47G-2)はエンジンをパワーアップしたVO-435-A1A,-A1B,-A1Dのいずれか(どれも200hp)に換装し、ローターを全金属製にしたモデルですが、KHI製G-2のローターは木製のままでした。ベル47G-2AはKHI製G-2の木製ローターを全金属製にし、エンジンをパワーアップしたVO-435-A1E(250hp)に換装したモデルです。
《自衛隊での使用状況》
日本では1953年に警備隊(現・海上自衛隊)が、1954年に 保安隊(現・陸上自衛隊)が導入を開始しました。警備隊ではアメリカからベル47D-1を4機購入、海上自衛隊発足後に川崎重工でライセンス生産されたベル47D-1を1機、G-2を2機、G-2Aを8機導入しました。5機のD-1は後にG型仕様に改修されています。
1954年7月1日の防衛庁の設置とともに陸海空3自衛隊が発足すると、警備隊の機体は海上自衛隊に移管されましたが、 OH-6J/Dの配備により第211教育航空隊に残ったG-2Aが1987年10月31日に退役、教育用途からは引退しました。また、G-2Aの1機(#8751)が砕氷艦“ふじ”、“しらせ”に搭載され1993年まで使用されましたが、その後 OH-6Dと交替し1995年に退役しています。自衛隊での愛称は『ひばり』です。
《性能諸元》
| ベル47G-2 | ベル47G-2A
|
主回転翼 | 直径10.71m,2枚羽根 | 直径11.32m,2枚羽根 |
胴体全幅 | 2.88m |
胴体全長 | 9.94m |
全高 | 2.9m |
運用重量 | 726kg | 850kg |
最大離陸重量 | 1,110kg | 1,293kg |
発動機 | ライカミングVO-435-A1D 水平対向6気筒×1 | ライカミングVO-435-A1E 水平対向6気筒×1 |
出力 | 200hp/3,100rpm | 250hp/3,200rpm |
燃料容量 | 43gal(機内) |
最大速度 | 161km/h(外部搭載なし) | 169km/h(外部搭載なし) |
巡航速度 | 124km/h | 134km/h |
実用上昇限度 | 12,000ft | 13,500ft |
海面上昇率 | 500ft/min | 800ft/min |
飛行航続距離 | 250km | 261km |
乗員 | 2名+1名 |
《配備部隊》
海上自衛隊時代(1954〜1961) |
部隊名 | 備考 |
館山航空隊第101飛行隊 | 1961年以降は第21航空群第101航空隊 |
海上自衛隊時代(1961〜1995) |
部隊名 | 上位組織 |
第51航空隊 | 航空集団直轄 |
第101航空隊 | 第21航空群 |
第211教育航空隊 | 鹿屋教育航空群→教育航空集団直轄 |
ふじ飛行科→しらせ飛行科 | 横須賀地方隊 |
当初は全機が館山航空隊(1961年以降は第21航空群)に配備されましたが、後に第211教育航空隊に移管されています。また、砕氷艦“ふじ”(ふじ飛行科)とその後を継いだ“しらせ”(しらせ飛行科)に搭載されたG-2Aの1機(#8751)だけは1993年まで使用され、OH-6Dと交替した後第51航空隊に移管され1995年に退役しています。 |
《部隊マーク》
ふじ飛行科→しらせ飛行科
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制定 | 不明 |
図柄 | 南極の氷原と氷山をバックにペンギンが立っているデザインのマーク
| 記入位置 | キャビン両側面
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第51航空隊、第101航空隊、第211教育航空隊は部隊マークを使用しませんでした。 |
《キット》
1/35 |
MRC | ベル47D-1 | |
フジミ/MRC | ベル47D-1
| MRCの箱・デカール替え |
レベルモノグラム | H-13H | 元レベルのキット |
ドイツレベル | Hー13H | レベルの箱・デカール替え |
1/72 |
パブラモデル | ベル47D-1/G
| キャビン下半分や小物パーツは簡易インジェクション、キャノピーはバキュームフォーム、後部胴体のトラスなどはエッチング製です。 |
エソテリック | ベル47G | 【絶版?】簡易インジェクションキット |
チャイナクリッパー | ベル47G | 【絶版】コクピットとエンジンなどはレジン、キャノピーはバキュームフォーム、キャビンドアや後部胴体のトラスなどはエッチング製です。 |
1/72の3種類はいずれも組み立てるには大いなる愛が必要です(笑)。 |
1/350 | ハセガワ | ベル47G | 南極観測船「宗谷」の『第一次南極観測隊』『第二次南極観測隊』及び『TBSドラマ「南極大陸」南極観測船 宗谷 “第一次南極観測隊”』のキット(いずれも限定版もしくは絶版)に搭載機として入っています。 |
1/450 | ニチモ | ベル47 | 砕氷艦「しらせ」のキットに搭載機として入っています。 |
1/700 | ホワイトエンサイン モデル | ベル47 | 胴体はレジン製。ローターと、なんと後部胴体のトラス構造を再現するエッチングパーツ付き。このスケールなら細かいことは言いっこなし(笑)。 |
シールズモデル | ベル47G-2 | 南極観測船「宗谷」のキットに搭載機として入っています。 |
※最新キットのイタレリ1/48と1/72は残念ながらロングボディーのH-13S(ベル47H)なので、そのままでは海上自衛隊型になりません。
《デカール》
1/35 |
フジミ/MRC | キット付属 | ベル47D | ふじ飛行科 |
サブタイプがキットと実機とで異なるので(ふじ飛行科で使用されたのはベル47G-2A)、雰囲気を楽しむといった程度。このデカールをレベルモノグラムやドイツレベルのH-13Hに使用したほうがより実機に近づくでせう。 |
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