ロッキード・マーチンC-130Rハーキュリーズ

《シリアルナンバー》

C-130R
9051(Bu.No.160015 ex.74-1656)
9052(Bu.No.160016 ex.74-1657)
9053(Bu.No.160013 ex.74-1654)
9054(Bu.No.160017 ex.75-0550)
9055(Bu.No.160020 ex.75-0553)
2016年1月現在

《実機について》

 アメリカ空軍向けの原型機YC-130の初飛行は1954年8月23日ですが、ユーザーは世界65ヶ国以上、現在でも発展型C-130Jの生産が続いているという空前絶後の傑作ターボプロップ4発戦術輸送機です。高翼形式に太い胴体、後部に貨物の空中投下も可能なローディングランプ付き貨物ドア、胴体両側に主脚を収納するバルジという機体レイアウトは、航空自衛隊のC-1も含めたその後の戦術輸送機の規範となりました。なお、C-130Rの主脚収納バルジは胴体に巻かれたプロペラ警戒ラインに掛からない短いタイプなので、航空自衛隊が使用しているC-130Hとは異なります。

《自衛隊での使用状況》

 海上自衛隊はただでさえ老朽化して後継機が取りざたされていたYS-11M/M-Aを、東日本大震災の支援任務でさらに酷使してしまい、いよいよ後継機選定が待ったなしになったため、急遽C-130Rを後継機として採用し、2011年度の東日本大震災復旧・復興関連補正予算で6機を調達しました。これはかつてアメリカ海軍が採用し海兵隊で運用されていた空中給油機KC-130Rの中古機で、2008年にKC-130T/Jと交替してデビス・モンサン空軍基地の航空宇宙整備・再生群(AMARG)に保管されていた機体から、空中給油機能を取り外して輸送機型としたものです。自衛隊が中古機を採用するのは創生期以来のことではないでせうか。

 航空自衛隊と同じC-130Hの中古機もあるのにそうしなかった理由については、「KC-130Rが搭載しているT56-A-16エンジンは海上自衛隊でヘリコプター用として多く使用されているJP-5燃料が使えるから」という見方があります。しかし、運用上は固定翼機に使われるJP-4とJP-5が混じってもそれほど支障はないという話もあり、あるいは単に「そこに安い出物があったから」ということなのかもしれません。まぁ、部外者にはよくわかりませんが。

 再整備には1機あたり10ヶ月から12ヶ月掛かり、降着装置やカーゴドア支持部の交換、中央翼の防錆処理などを行い、デジタルGPSを含むコクピットのアップグレードも行われます。1号機となる#9501(Bu.No.160015 ex.74-1656)は2012年11月から再整備に入り、2013年秋には完了、2014年3月に厚木基地に到着する予定でしたが、かなり遅れて2014年春頃に再整備が完了したものと思われます。その後は乗員の訓練が行われることになっていましたが、6月半ばになってようやく現地(パタクセントリバー海軍航空基地)での飛行訓練を開始しました。8月には2号機となる#9502(Bu.No.160016 ex.74-1657)が確認されています。

 その#9052は2014年11月13日に横田基地に飛来、通関手続きを行ったのち翌14日に厚木航空基地に到着しました。その後11月28日には#9053(Bu.No.160013 ex.74-1654)が、2015年1月16日には#9051が横田基地に到着しています。残り3機も2014年度内に納入される予定と聞いていましたが、結局年度内に間に合ったのは2015年3月8日に到着した4機目の#9054(Bu.No.160017 ex.75-0550)までで、5機目の#9055(Bu.No.160020 ex.75-0553)は2016年1月、6機目の#9056(Bu.No.160018 ex.75-0551)は2016年10月に到着しています。

《性能諸元》

KC-130R
全幅40.4m
全長29.8m
全高11.6m
主翼面積162.1u
キャビン寸法W3.12m×L12.5m×H2.74m
運用重量37,818kg
最大離陸重量79,450kg
発動機アリソンT56-A-16
ターボプロップ×4
出力4,910shp(1基)
燃料容量13,280gal
最大速度580km/h
巡航速度550km/h
実用上昇限度30,000ft
海面上昇率2,900ft/min
行動半径5,324km(貨物17t積載時)
乗員6名

《配備部隊》

部隊名上位組織
第51航空隊航空集団直轄
第61航空隊航空集団直轄
2,3号機は当初第51航空隊で運用試験が行われていましたが、2014年12月26日付けで実働部隊である第61航空隊に移管されました。

《部隊マーク》

部隊名上位組織
まだ描かれていません。てか中の人の話ではラクダマークは描かれないようです。(´・ω・`)

《キット》

1/48 イタレリC-130H
主脚収納バルジはボックスアートは長いタイプで描かれていますが、キットは元々E型をモデル化したため短いタイプのままなので、海自機を作る場合はそのままでいけます。
テスターC-130EイタレリのOEM。
1/72 ズベズダC-130H2021年1月発売。ロシア製の完全新金型キットでなんと航空自衛隊デカール入り。主脚収納バルジや尾部は長短両方が入っているので海自のC-130Rもイケるかもしれません。
イタレリC-130E/H
主脚収納バルジは短いので海自機を作るにはうってつけw
エレールC-130イタレリのOEM。
テスターC-130EイタレリのOEM。
エアフィックスC-130EキットNo.9001の製品は1960年代から発売されていたオリジナルキットで、元は英空軍のハーキュリーズC.1なので主脚収納バルジは短いです。キットNo.9003の製品は1994年リリースでイタレリのOEMです。
ウルフパック
  デザイン
C-130H
(レジン製
 改造パーツ)

イタレリのキットをアップグレードするための改造パーツで空自デカール入り。日の丸や注意書きが流用できるかも。
MPCC-130E【絶版】エアフィックスのオリジナルキットのOEM。
エッシーC-130H【絶版】主脚バルジは短いタイプ。
1/140 レベル
モノグラム
C-130H元レベルのキット。主脚バルジは短いです。箱の表記はもちろん1/144。(^_^;)
ハセガワ/
モノグラム
C-130H
【限定版】レベルモノグラムの箱・デカール替え。こちらも箱の表記は1/144です。なので空自のC-130Hを作るなら主脚バルジに手を入れる必要がありますが、海自機ならその部分はそのままでもいけるのではないかと。
【デカール替えキット】
●記念塗装機
1/144 ミニクラフトC-130H2011年7月にようやく米空軍型が出ました。主脚バルジが短いのは海自機を作るには都合がいいのですが、機首があまり似ていない上に価格がバカ高いのが残念。
AモデルC-130F米海軍アクロチーム“ブルーエンジェルズ”の支援機"ファット・アルバート”のキット(同スケールのF-4Jとセット)です。主脚バルジはもちろん短いタイプ。いかにもAモデルらしいヨレヨレなモールドで、プロペラ軸がエンジンナセルの中心からずれていたりして制作意欲を萎えさせてくれます(笑)。
1/200 ハセガワC-130R
2015年10月発売。小粒ながらプロポーションは良好、ただし一部合いの悪いパーツがあります。短い主脚バルジとH型より長い尾部のパーツを新たに起こしていますので、今のところストレートにC-130Rを作れる唯一のキットです。
 なお短い主脚バルジパーツのランナーには「KC-130」と刻印されたタグが付いていますので、マリンコのKC-130Rも近いうちに出るのではないかと。(^^;)
1/300 エフトイズ・
コンフェクト
C-130R【限定版】番外編。2015年12月発売の『日本の輸送機コレクション』のアイテムのひとつになっているものです。下記C-130Hの単なる塗り替え(&デカール替え)なので、主脚バルジや尾部などの違いは再現されていません。
C-130H
【限定版】番外編。2009年11月発売(東日本地区)の『名機の翼コレクションvol.2』のアイテムのひとつになっているものです。塗装済み完成品なので番外としましたが、プラキットと並べても遜色のない出来です。
1/350 ホワイト
エンサイン
モデル
ハーキュリーズ
C.1
レジン製、プロペラなどのエッチングパーツ付き。
1/700 ピットロードC-130H「デザート・シールド1」(S06)及び「ザ・ウエストウイングス1」(S07)【絶版】に付属。日の丸はデカールにありますがシリアルナンバーと部隊マークはありません。胴体がAC-130Hと共通なので、左側面から突き出た機関砲などを削り取る必要があります。

《デカール》

1/144 らんでぃんぐ
 ・ぎあ
C-130 HERCULES JMSDFC-130H第61飛行隊
部隊マークは使っていないので部隊番号と機番のみです。デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。らんでぃんぐ・ぎあのwebサイトで入手できます。
1/200 ハセガワキット付属C-130R第51航空隊
第61航空隊
部隊マークは使っていないので部隊番号と機番のみです。

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