シコルスキーMH-53Eシードラゴン

《シリアルナンバー》

MH-53E8621/8631

《実機について》

 アメリカ海兵隊向けに開発され1964年10月14日に初飛行した、ターボシャフト双発の大型ヘリコプターCH-53Aをベースに、エンジンを3発化するとともにトランスミッションを強化したのがCH-53Eで、試作機YCH-53Eは1975年12月8日に初飛行しました。このCH-53Eをベースにした機雷掃海型がMH-53Eで、アメリカ海軍には1986年から引き渡しが開始されています。

《自衛隊での使用状況》

 海上自衛隊ではKV-107IIA-3の後継機としてMH-53Eを採用しました。最初の4機は三菱商事を通じて民間機S-80-1として発注され、1989年11月30日に1号機を受領し、1994年までに11機が引き渡されました。
 KV-107IIと比べると掃海具の曳航能力は10倍以上に向上し、このためMk.101係維機雷掃海具、Mk.104音響機雷掃海具に加えてMk.105磁気機雷掃海具やMk.106複合機雷掃海具(複合機雷、磁気機雷、音響機雷の処理が可能)の運用も可能になりました。さらに、巡航速度も向上し掃海時の航法装置も充実したためパイロットのワークロードは大幅に軽減されました。また、機内の掃海関連装備を降ろせば輸送ヘリコプターとしても活用できます。
 その後運用途上での改修により、機首の空中給油ブロープ取り付け基部のフェアリングに気象レーダーが搭載され、またテイルブーム側面には太鼓状のフライトデータ・レコーダーが装着されています。
 2003年6月5日に後継機となるMCH(新掃海・輸送ヘリコプター)としてMCH-101(EH101)が採用され、2008年からは配備が始まったこともあって徐々に減耗が進み、2017年2月中旬には最後に残った#8625が最終飛行を行い、3月3日に除籍式典が行われて海上自衛隊におけるMH-53Eの運用は終了しました。

《性能諸元》

MH-53E
主回転翼直径24.08m,7枚羽根
全長30.2m
胴体全長22.35m
全高8.97m
キャビン寸法W2.29m×L9.14m×H1.98m
運用重量16,700kg
最大離陸重量31,650kg
発動機ゼネラル・エレクトリックT64-GE-416
ターボシャフト×3
出力4,380shp/13,600rpm(1基)
燃料容量1,017gal(機内)
最大速度315km/h(外部搭載なし)
巡航速度280km/h
実用上昇限度18,500ft
海面上昇率2,727ft/min
飛行航続距離2,000km
乗員3名

《配備部隊》

部隊名上位組織
第51航空隊航空集団直轄
第111航空隊
当初第51航空隊岩国分遣隊で各種テストが行われた後、1990年11月以降は全機が第111航空隊に配備されています。

《キット》

※1/350や1/700は2014年3月現在で艦船キットの付属品としてのキット化がほとんどなので、漏れがあると思いますがきちんと調べるのめんどい(爆)のでご容赦ください。m(_ _)m
1/48 モノクローム
(アカデミー)
MH-53E2021年10月発売。こちらも下記アカデミーのキットに海自デカールを入れたものです。普通に国内流通するので入手しやすい上に価格も抑えられています。
ウルフパック
    デザイン
(アカデミー)
MH-53E
2013年4月発売。下記アカデミーのキットに海自デカールを入れたものです。
アカデミー/MRCMH-53E2009年3月発売。先に出ていたCH-53Eのバリエーションで、デカールは米海軍型のみです。
1/72 プラッツ(イタレリ)MH-53E2021年11月発売。イタレリのキットをプラッツがパッケージングしてカルトグラフ製デカール(以前出ていたNBM21[プラッツ]のJD-36と同じものと思はれ)を入れたものになります。
イタレリMH-53E
発売当初はメインローターの向きが逆という大チョンボをかましてくれましたが、現在は直っています。
ウルフパック
    デザイン
MH-53E
イタレリのキットをアップグレードするための改造パーツで海自デカール入り。
1/350 ブロンコ MH-53E主要パーツは透明プラ製、ローターなどのエッチングパーツ付き。下記「ニューヨーク」の搭載機を独立させたものと思はれ。
MH-53Eアメリカ海軍ドック型輸送揚陸艦「LPD-21ニューヨーク」のキットに搭載機として入っています。
ホワイトエンサイン
モデル
CH-53E/
 MH-53E
レジン製、ローターなどのエッチングパーツ付き。
1/700 ピットロードMH-53E「海上自衛隊航空機セット」(S30)、海上自衛隊航空基地(SPS29)と、護衛艦「DDH-181ひゅうが」「DDH-182いせ」のキットに搭載機として入っています。
アオシマMH-53E「海上自衛隊ヘリコプターセット」と、護衛艦「DDH-181ひゅうが」「DDH-182いせ」および「トモダチ作戦&海上自衛隊護衛艦(DD-102はるさめ)」「トモダチ作戦&海上自衛隊護衛艦(DD-110たかなみ)」のキットに入っています。
ドラゴンMH-53E米海軍の沿海域戦闘艦「LCS-4コロナド」のキットに搭載機として入っています。
ホビーボスCH-53Eアメリカ海軍強襲揚陸艦「LHD-1ワスプ」「LHD-2エセックス」「LHD-3キアサージ」「LHD-4ボクサー」「LHD-5バターン」「LHD-6ボノム・リシャール」「LHD-7イオー・ジマ」、ドック型輸送揚陸艦「LPD-21ニューヨーク」のキットに搭載機として入っています。
エディオックMH-53Eホワイトメタル製。デカール付きです。
ホワイトエンサイン
モデル
MH-53E胴体はレジン製でモールドも何もありませんが、ローターはエッチングでシャープさではピカいちです。

《デカール》

1/48 モノクローム
(アカデミー)
キット付属MH-53E第111航空隊
ウルフパック
    デザイン
(アカデミー)
キット付属MH-53E第111航空隊
1/72 プラッツ(イタレリ)キット付属MH-53E第111航空隊
イタレリキット付属MH-53E第111航空隊
「海上自衛隊」の文字はちょっとおかしいものの、イタリア人がデザインした割にはちゃんと読めます。
ウルフパック
    デザイン
改造パーツ
付属
MH-53E第111航空隊
NBM21(プラッツ)JD-36
MH-53E第111航空隊

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