MDヘリコプターズ(ヒューズ)OH-6J/OH-6D/OH-6DA

《シリアルナンバー》

OH-6J
8761/8763
OH-6D
8764/8777
OH-6DA
8778/8782

《実機について》

 ヒューズ社(後にマクダネル・ダグラス・ヘリコプターズ社、ボーイング社、民間ヘリコプター部門のみベル社を経て現・MDヘリコプターズ社)が開発しアメリカ陸軍の軽観測ヘリコプター(LOH)競争試作に採用された機体で、試作機YOH-6Aカイユースの1号機は1963年2月27日に初飛行しました。卵形で視界のよい胴体、47゚傾けて装備されたアリソン250-C18A(T63-A-5A)(317shp)エンジンと胴体後端に開いた排気口、直径を詰めた4枚羽根ローターなどの特徴を持っており、1970年8月までに1,434機が生産されました。

 またエンジンをパワーアップしたアリソン250-C20(400shp)に換装、ローターの羽根数を増やし尾翼をT字型に改めたOH-6C、さらにエンジンをアリソン250-C20B(420shp)にパワーアップ、メインローターを4枚から5枚に増やしT尾翼を装備したOH-6Dが製作され、D型の原型は1974年8月に初飛行しました。OH-6Dはアメリカ陸軍には採用されませんでしたが、日本、イタリア、アルゼンチンでもライセンス生産されました。

 さらに、胴体を大型流線型化し、前方視界を良くし後席の居住性を向上させ、騒音軽減のため尾部ローターを2枚から4枚に増やした民間型のモデル500Eが1982年1月に初飛行し、現在はこのタイプが生産されています。OH-6A/C/Dに相当する民間型のモデル500、500C、500Dの各型や、民間型モデル500を発展させた軍用型モデル500M、モデル500Dを発展させた軍用型モデル500MDなどもあります。

《自衛隊での使用状況》

 モデル500は、日本では川崎重工(KHI)がライセンス生産を行い、海上自衛隊と陸上自衛隊に採用されました。海上自衛隊ではベル47に代わる練習ヘリコプターとして、1972年にモデル500MをOH-6Jとして採用、3機を導入しましたが、4機目以降はモデル500MDをOH-6Dとして採用、KHIによるライセンス生産機を1983年12月6日から1998年3月12日までに14機導入しました。なお、現在OH-6Jは全て退役(時期不明)しています。

 また、陸上自衛隊の機種転換によりOH-6DのKHIによるライセンス生産が終了したため、海上自衛隊では練習ヘリ9機体制の維持するため同型機を輸入することにしましたが、現在の生産タイプがモデル500Eのため、これにOH-6DAの名称を与えました。KHIでは組み立てのみを行い、1998年度に発注された最初の2機が1999年1月と2月に納入され、2004年度までに5機が納入されています。

 2008年度からOH-6Dの退役が始まるため、2009年1月14日に後継機となるTH-X(次期回転翼練習機)としてTH-135の採用が決定し、2008年度予算で2機が発注されました。

《性能諸元》

OH-6JOH-6DOH-6DA
※データは500E
主回転翼直径8.03m,4枚羽根直径8.05m,5枚羽根
胴体全幅2.07m
胴体全長7.01m7.62m9.39m
全高2.48m2.64m2.65m
キャビン寸法W1.37m×L2.45m×H1.32m
運用重量533kg654kg673kg
最大離陸重量1,090kg1,361kg1,364kg
発動機アリソン250-C18A
ターボシャフト×1
アリソン250-C20B
ターボシャフト×1
出力317shp/35,000rpm420shp/35,000rpm
燃料容量61gal(機内)63gal(機内)
最大速度240km/h(外部搭載なし)280km/h
(外部搭載なし)
巡航速度210km/h240km/h
実用上昇限度16,000ft14,000ft16,000ft
飛行航続距離608km389km509km
乗員2名+3名

《配備部隊》

部隊名(旧上位組織→)上位組織
第51航空隊第4航空群→航空集団直轄
第211教育航空隊航空教育集団直轄
しらせ飛行科横須賀地方隊
配備部隊はほぼ全機が第211教育航空隊で、OH-6Dの1機のみしらせ飛行科です。また、OH-6DAは最初は第51航空隊でテストされたあと、第211教育航空隊に配備されています。

《部隊マーク》

しらせ飛行科
制定不明
図柄南極の氷原と氷山をバックにペンギンが立っているデザインのマーク
記入位置キャビン両側面
第51航空隊第211教育航空隊は部隊マークを使用していません。

《キット》

1/20 ニチモヒューズ500
【絶版】エンジン内蔵のフルディスプレイ形態か、台座にモーターを内蔵したローター回転形態の選択式でフィギュア4体入り。デカさに圧倒されます。
1/24 ホビークラフトMD500D
イデアMD500D韓国製。中身は同社の他のキット同様ホビークラフトのもののようですが、箱の横に印刷されているヘリキットのラインナップは全部ハセガワのもの(^_^;)。訳のわからないメーカーです。
1/32 レベルモノグラムOH-6A元レベルのキット
ドイツレベルヒューズ500C
正徳福OH-6A中国製。中身は謎(^◇^;)
MD500
1/35 キティホークモデルAH-6J/MH-6J
2017年10月発売の中国製。攻撃型/特殊作戦型で胴体やドアのパーツがそれ用に作られているので、そのままではフツーの観測型は望み薄かもです。(´・ω・`)
ドラゴンOH-6A
MD500D
MD500E
ハセガワ/ドラゴンOH-6D
【限定版】ドラゴンの箱・デカール替え
1/48 AMPOH-6A
2009年4月発売、ウクライナ製の簡易インジェクションキットでエッチングパーツ入り。
タミヤOH-6A
【絶版?】
ハセガワ OH-6D
【限定版】
MD500D
フジミMD500D/OH-6D
クイックブーストOH-6A

(レジン製改造パーツ)
アカデミーのヒューズ500D用のチェコ製改造パーツ。
CMKMD500E/OH-6DA

(レジン製改造パーツ)
アカデミーのヒューズ500D用のチェコ製改造パーツ。海上自衛隊デカール入り。
1/72 スペシャルホビーMD500E
(OH-6DA)
2017年2月発売。AH-1Gに続くスペホビ製オリジナルヘリキットかと思ったら、中身は下記プロフィラインのキットにオリジナルのレジンパーツとデカール(海上自衛隊含む)を加えた物でした。(´・ω・`)
AZモデルOH-6J
2013年6月発売のチェコ製簡易インジェクションキットですが、下記プロフィラインのキットとは全くの別物です。下記OH-6Dと違ってパッケージには1機しか入っていませんが、ウインドシールドのパーツは同じなので使わないDA用も入ってます。デカールは陸自2種と海自1種、それに所沢の航空発祥記念館に展示されている機体が入っています。
OH-6D/DA
2011年7月発売のキットで、こちらは2機入りです。ウインドシールドのパーツが2種類入っていて、OH-6DとOH-6DA双方が作れるようになっています。デカールは海上自衛隊と陸上自衛隊が入ってます。でもちゃんと作れるものなのか、甚だ不安ではあります(爆)。一時期webサイトで「発売取りやめ」とアナウンスされてましたが、いつの間にか復活してました。
プロフィラインHughes 500E
(OH-6DA)
2010年9月発売のチェコ製簡易インジェクションキット。キャビンがまるごとクリヤーパーツになっていますが、ちゃんと作れるものなのか、甚だ不安ではあります(爆)。なお海自のOH-6Dはフロートを付けて運用されたことはないようです。
Hughes 500D
with Floats
(OH-6D)
イタレリOH-6A
AH-6A
タミヤOH-6A
ウォーバードシリーズ。イタレリの箱替えです。AH-6AはOH-6Dの武装型で、機体はOH-6Dと同じです。
AH-6A
エレールOH-6D
『COMMANDO』という装甲車やトラック、ジープ(フランスだから軍用小型四駆車としたほうがいいのかな(^◇^;))などとのセットに入っています。細部は大甘です。
1/85 ハセガワOH-6J
【絶版】『コインシリーズ』という、1980年に出たはめ込み式簡単組立1個100円シリーズのひとつです。スケールがハンパなのは箱に合わせられているためです。中身は、細部ははめ込み式だけに甘いですが、きちんとスケールモデルしてます。OH-6Jには陸上自衛隊デカールが入っています。
ヒューズ500
アクトハセガワOH-6J
【絶版】『ベーシックひこうき200シリーズ』という、1994年に出たはめ込み式簡単組立1個200円シリーズのひとつです。中身は上の『コインシリーズ』と同じです。
ヒューズ500
ハセガワヒューズ500【絶版?】『ワンアワーコインシリーズ』という、塗装済みではめ込み式簡単組立1個400円シリーズのひとつです。中身は塗装済みなこと以外は上の『コインシリーズ』『ベーシックひこうき200シリーズ』と同じですが、陸自バージョンはなくなりました。
1/100 日東ヒューズ500
【絶版】このスケール唯一のキットなので入れときました。クリヤーパーツは正面のウインドシールドだけです。
1/144 FEレジンOH-6Aチェコ製のレジンキット。入手は困難です。
エフトイズ・
   コンフェクト
OH-6D
【限定版】番外編。『ヘリボーンコレクション2』のアイテムのひとつになっているものです。塗装済み完成品なので番外としましたが、前回同様プラキットと並べても遜色のない出来です。ただしアイテムになっているのは陸上自衛隊バージョンとCHPバージョンなので、海上自衛隊バージョンにするには再塗装が必要です。なお同スケールの高機動車がオマケに付いてきます。
1/700 ドラゴンMD500
【絶版?】『ソビエトミサイル艇セット』に入っています。

《デカール》

1/32フライングパパス32M003OH-6J第51航空隊[第4航空群]
第211教育航空隊
デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。「ホビーセンターえんどう」でのみ入手できましたが、どうもサイトを閉めてしまったようです。(´・ω・`)
1/35 ハセガワ/ドラゴンキット付属
【限定版】
OH-6D第211教育航空隊
1/48 ハセガワキット付属
【限定版】
OH-6D第211教育航空隊
タミヤキット付属
【絶版?】
OH-6J第51航空隊[第4航空群]
第211教育航空隊
CMK改造パーツ付属OH-6DA第211教育航空隊
フライングパパス48M049OH-6J第51航空隊[第4航空群]
第211教育航空隊
48M080OH-6D第211教育航空隊
デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。「ホビーセンターえんどう」でのみ入手できましたが、どうもサイトを閉めてしまったようです。(´・ω・`)
1/72 スペシャルホビーキット付属OH-6DA第211教育航空隊
「海上自衛隊」の文字やコーション類、数字のフォントも含めてそのまま使えそうです。(^^)
プロフィラインキット付属OH-6DA第211教育航空隊
キット付属OH-6Dしらせ飛行科
「海上自衛隊」の文字はまずまず読めますが、数字のフォントが米空軍機のようです(爆)。
AZモデルキット付属OH-6J第211教育航空隊
OH-6Dより後から出ただけに、こちらの日本語はほぼカンペキでそのまま使えるレベルです。
キット付属OH-6D/DA第211教育航空隊
しらせ飛行科
チェコ人のデザインした「海上自衛隊」「危険」「近づくな」の文字は悲しすぎ。「シラセ」の片仮名も怪しいです(笑)。シリアルナンバーはOH-6Dの1機分だけです。
フライングパパス72M026
OH-6J第51航空隊[第4航空群]
第211教育航空隊
72M080
OH-6D第211教育航空隊
デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。「ホビーセンターえんどう」でのみ入手できましたが、どうもサイトを閉めてしまったようです。(´・ω・`)
1/144 フライングパパス44M080OH-6D第211教育航空隊
デカール自体はMDプリンターで印刷されたもので、赤や黄色あるいはグレーなどの中間色に網目が出ている場合がありますので、その点を承知した上で使いませう。「ホビーセンターえんどう」でのみ入手できましたが、どうもサイトを閉めてしまったようです。(´・ω・`)

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