ロッキードP2V-7ネプチューン『おおわし』
《シリアルナンバー》
基本型式 |
P2V-7
|
4601/4616 | 供与機 |
4617/4664 | ライセンス生産機 |
改造型 |
P-2J | 4701(元4637) | P-2J原型機 |
P2V-7・VSA | 4655 | |
《実機について》
1945年5月17日に原型機XP2V-1が初飛行したアメリカ海軍向けのレシプロ双発大型哨戒機です。P2V-3Cは空母から発進して陸上基地に降り立つ核攻撃機として使用されました。P2V-7はアメリカ海軍向け哨戒型の最終モデルです。なお、その後P2V-7は1962年9月のアメリカ3軍呼称統一によりP-2Hとなりましたが、海上自衛隊では導入時の呼称だったP2V-7をそのまま用いていました。
《自衛隊での使用状況》
海上自衛隊には1956年1月16日から1958年7月にかけて、ロッキード製新造機のP2V-7が16機供与され、1号機(#4601)は1956年3月7日に羽田空港に到着しました。8号機(#4608)までは背面銃座を装備していましたが、後に撤去しています。続いて1959年12月11日から1965年にかけて川崎重工によるライセンス生産機48機が納入されました。
後に37号機(#4637)が P-2J原型機(後にP-2J 1号機#4701)に改造され1966年7月21日に初飛行、9月30日に引き渡されています。また、55号機(#4655)が VSA(Variable Stability Test Aircraft)可変特性実験機に改造されて1977年12月23日に初飛行、1978年3月15日に引き渡されています。1969年から P-2Jの配備が始まったため徐々に交替し、1980年2月1日に第4航空隊に残った最後の1機が退役しました。また、VSA可変特性実験機は1982年12月まで使用されました。自衛隊での愛称は『おおわし』です。
《性能諸元》
| P2V-7 |
全幅 | 30.89m |
全長 | 27.94m |
全高 | 8.94m |
主翼面積 | 92.9u |
運用重量 | 24,948kg |
最大離陸重量 | 36,288kg |
発動機 | ライトR-3350-32WA 空冷複列星形18気筒×2 |
出力 | 3,750hp(1基) |
補助発動機 | ウェスティングハウスJ34-WE-36 ターボジェット×2 |
推力 | 1,540kg(1基) |
プロペラ | ハミルトンスタンダード 直径4.6m/4枚羽根 |
燃料容量 | 3,780gal(2,980gal(機内)+400gal×2(翼端タンク)) 最大4,480gal(700gal兵装ベイ内増加タンク) |
最大速度 | 635km/h(外部搭載なし) |
巡航速度 | 482km/h |
哨戒速度 | 278km/h |
実用上昇限度 | 20,000ft |
海面上昇率 | 2,450ft/min |
行動半径 | 最大1,348km(哨戒6時間) |
武装 | Mk.34魚雷×4または150kg対潜爆弾×16 12.7mmロケット弾×8 |
乗員 | 12名 |
《配備部隊》
P2V-7(1956〜1961) |
部隊名 | 備考 |
鹿屋航空隊第1飛行隊 | 1961年以降は第1航空群第1航空隊 |
八戸航空隊第2飛行隊 | 1961年以降は第2航空群第2航空隊 |
鹿屋教育航空隊第203教育飛行隊 | 1961年以降は鹿屋教育航空群第203教育航空隊 |
P2V-7(1961〜1980) |
部隊名 | (旧上位組織→)上位組織 |
第1航空隊 | 第1航空群 |
第2航空隊 | 第2航空群 |
第3航空隊 | 第1航空群→第4航空群 |
第4航空隊 | 第2航空群 |
第51航空隊 | 第2航空群→第4航空群→航空集団直轄 |
第203教育航空隊 | 鹿屋教育航空群 |
第205教育航空隊 | 鹿屋教育航空群→下総教育航空群 |
当初は鹿屋航空隊、八戸航空隊、鹿屋教育航空隊に配備されましたが、1961年9月1日に航空集団と航空教育集団が編成された後は、1963年までに上記の各航空隊の所属となりました。 |
P2V-7 VSA可変特性実験機 |
部隊名 | 上位組織 |
第51航空隊 | 航空集団直轄 |
《部隊マーク》
第2航空隊
|
制定 | 不明 (1961年9月1日に八戸航空隊第2飛行隊から改編) |
図柄 | 赤と白で「VP-2」の文字を逆三角形にデザインしたマーク
| このマークは1971年にP-2Jに機種改編した後も引き継がれました。
|
第3航空隊
|
1961年9月1日に鹿屋航空基地の第1航空群隷下に編成された当初はノーマーク (1962年9月1日に下総航空基地の第4航空群に異動、1973年12月21日に第4航空群とともに厚木航空基地に移動) |
制定 | 1974年6月 |
図柄 | 厚木航空基地を表す「AT」の文字をオレンジ色の富士山と緑の木になぞらえてデザインしたマーク
| このマークは1974年7月にP-2Jに機種改編した後も引き継がれました。
|
第4航空隊
|
制定 | 不明 (1963年3月31日[1月15日説有り]に八戸航空基地の第2航空群隷下に編成) |
図柄 | P2V-7の海上自衛隊での愛称である白い「おおわし」が黄の「4」を抱えたデザインのマーク
| このマークは1980年にP-2Jに機種改編した後も引き継がれました。
|
第51航空隊
|
制定 | 不明 (1961年9月1日に八戸航空基地の第2航空群隷下に編成、1963年3月15日に下総航空基地の第4航空群に異動、1969年7月29日に航空集団直轄部隊となり、1973年12月21日に厚木航空基地に移動) |
図柄 | 任務が似ている米海軍の実験開発飛行隊を表す「VX」をデザインしたディグロウと黄のマーク
|
第205教育航空隊
|
配備当初(時期不明)はノーマーク (第205教育航空隊は1961年9月1日に鹿屋教育航空隊第205飛行隊から改編(当時の装備機はR4D)、1974年2月10日に下総教育航空群に異動) |
制定 | 1979年5月 |
図柄 | コールサイン「Tom Boy」の頭文字「TB」を黄でデザインしたマーク (YS-11T/T-Aと同マーク)
| このマークは1974年にP-2Jに機種改編した後も引き継がれました。
|
第1航空隊と第203教育航空隊は部隊マークを使用しませんでした。 |
《キット》
1/48 |
Jetmads | P2V-7 | [発売予定、時期未定]製造元の Jetmads(Jet Model Aircraft Design Studio)はトルコのガレキメーカーらしいですがよくわかりません。もちろん内容も不明です。 |
ATTIC | P2V-7 | アメリカ製のレジンキット。ってこの大型機をレジンで作るとは! デカールは米海軍機のみです。(情報感謝です>ELINT人さん) |
RVHP | P2V-7 | [発売予定、時期未定]チェコ製のレジンキット。しかも海上自衛隊デカール入り。→ 2009年にこの情報を得てから未だに出てないので、もう出ないと思っていいかな。('A`) |
1/72 |
ハセガワ | P2V-7
| もう相当にくたびれたキットです。(^_^;) 【限定版キット】
●“海上自衛隊” (鹿屋航空隊、第51航空隊デカール入り)
●“海上自衛隊” (第3航空隊、第4航空隊デカール入り)
|
P2V-7・VSA
| 【限定版】レジン製の垂直カナードとメタル製のセンサー、それにデカールをセットしたものです。2015年5月に再版されました(パッケージと品番は変わっています)。 |
ドイツレベル | P2V-7 | どうやらハセガワのOEMらしいです。ボックスアートはオランダ海軍機です。 |
1/144 |
モノクロームGK | P2V-7 | 2003年5月発売のフルレジンキット。透明パーツはインジェクションで海上自衛隊デカール付き。なお「モノクロームGK」はかつて存在した横浜の模型店「ラッキーサン」が立ち上げたレジンキットブランドでした。
|
エアロクラブ | P2V-7 | 簡易インジェクションキット。2005年6月ごろに再販されたらしく某店店頭で見掛けました。 |
1/240 |
サンショウ | P2V-7
| 【絶版】小スケールなのでクリヤーパーツはありませんが、表面にはシャープなスジボリが施されています。デカールは米国籍マークと「NAVY」のみ。他にXC-1やPS-1も出ていたこのシリーズは後にフジホビーとサニーから発売されましたが、なぜかこのP2V-7は発売されませんでした。 |
1/300 |
エフトイズ・ コンフェクト | P2V-7
| 【限定版】番外編。2009年11月発売(東日本地区)の『名機の翼コレクションvol.2』のアイテムのひとつになっているものです。塗装済み完成品なので番外としましたが、プラキットと並べても遜色のない出来です。 |
1/700 |
ピットロード | P2V-7 | 【絶版】ホワイトメタル製。日の丸はデカールにありますがシリアルナンバーと部隊マークはありません。「航空自衛隊機セット3 スペシャル」(S39SP)にも入っていましたが、こちらも絶版です。 |
グリーンマックス | P2V-7 | 【絶版】「空と海の闘い」および「緊急発進!」のキットに入っています。どちらもG.ワシントン級原潜、Tu-95ベア、P2V-7、F-4EJなどがセットになっています。胴体背面には銃座もモールドされています。 なお、このキットは『スカイウェーブシリーズ』のひとつで、このシリーズは後にピットロードに移管されましたが、このキットはピットロードブランドでは出ていないようです。 |
1/48 |
RVHP | キット付属 [発売予定、時期未定] | P2V-7 | 第4航空隊[第2航空群] |
1/72 |
ハセガワ | キット付属 | P2V-7 | 第4航空隊[第2航空群] |
キット付属 (海上自衛隊) 【限定版】 | P2V-7 | 鹿屋航空隊第1飛行隊 |
第51航空隊 |
キット付属 (海上自衛隊) 【限定版】 | P2V-7 | 第3航空隊[第4航空群] |
第4航空隊[第2航空群] |
キット付属【絶版】 (旧パッケージ) | P2V-7 | 第51航空隊 |
キット付属 【限定版】 | P2V-7・VSA | 第51航空隊 |
1/144 |
モノクロームGK | キット付属 | P2V-7 | 第3航空隊[第4航空群] |
第4航空隊[第2航空群] |
イカロス オリジナル デカール (ライブリーズ製) | AGA4-905 【限定版】
| P2V-7 |
第2航空隊[第2航空群] |
第3航空隊[第4航空群] |
第51航空隊 |
P-3C用デカールになぜかおまけで入っています。印刷は最高級。限定500枚。 |
|