シコルスキーS-55/-55A『はつかり』

《シリアルナンバー》

S-55 館空-301/302警備隊時代
8941/8942(元 館空-301/302),8943海自時代
S-55A8901/8910

《実機について》

 1949年11月10日にアメリカ空軍型の原型機YH-19が初飛行したレシプロ単発ヘリコプターS-55(シコルスキー社の社内名称)は、機首にエンジンを置き延長軸でローターを回転させるというレイアウトのおかげで重心位置に余裕あるキャビンスペースを確保しています。このため汎用性が高く、空軍/陸軍(H-19)、海軍/沿岸警備隊(HO4S)、海兵隊(HRS)のアメリカ全軍で使用された初のヘリコプターとなりました。また、日本、フランス、イギリスではライセンス生産も行われ、イギリスではホワールウィンドの名称で使用しました。

《自衛隊での使用状況》

 日本では3自衛隊で採用され、海上自衛隊では警備隊時代の1954年5月からシコルスキー製のS-55を3機導入し、続いて1960年から1962年にかけて三菱重工製のS-55Aを10機導入しました。S-55はP&W R-1340-57(600hp)エンジンを装備した直線テールブーム型(アメリカ海軍のHO4S-1、アメリカ空軍のH-19Aに相当)、S-55AはライトR-1300-00(700hp)エンジンを装備した傾斜テールブーム型(アメリカ海軍のHO4S-3、アメリカ空軍のH-19Bに相当)です。S-55は1965年までに全機が事故により失われています。また、S-55Aは1970年まで使用されました。自衛隊での愛称は『はつかり』です。

《性能諸元》

S-55
主回転翼直径16.16m,3枚羽根
胴体全幅3.35m
胴体全長12.6m
全高4.65m
キャビン寸法W1.82m×L3.05m×H1.58m
運用重量2,250kg
最大離陸重量3,250kg
発動機プラット&ホイットニーR-1340-57
空冷単列星形9気筒×1
出力600hp/2,250rpm
燃料容量188gal(機内)
最大速度163km/h(外部搭載なし)
巡航速度137km/h
実用上昇限度10,500ft
海面上昇率700ft/min
飛行航続距離652km
乗員2名+救難員1〜2名

《配備部隊》

警備隊時代(1954)
部隊名
館山航空隊

海上自衛隊時代(1954〜1961)
部隊名備考
館山航空隊第103飛行隊1961年以降は第21航空群

海上自衛隊時代(1961〜1970)
部隊名(旧上位組織→)上位組織
八戸航空基地隊第2航空群
下総航空基地隊第4航空群
館山航空基地隊第21航空群
徳島航空基地隊第3航空群→徳島教育航空群
鹿屋航空基地隊第1航空群
第211教育航空隊鹿屋教育航空群→教育航空集団直轄
S-55は全機が館山航空隊に配備されました。S-55Aは各航空基地隊で救難機として使用されましたが、後にS-62Jと交替して第211教育航空隊に移管されました。

《キット》

1/45 オーロラ型式不明【絶版】
1/48 レベルH-19
直線テールブーム型。2017年に再販されました。
レベル
モノグラム
H-19C直線テールブーム型。元レベルのキット
ツクダ/
レベル
S-55
【絶版】直線テールブーム型。レベルの箱・デカール替えで、陸海空自衛隊のデカール入りです。
1/72 イタレリUH-19A
2001年9月発売の最新キットで、下記のH-19Bのバリエーション。直線テールブーム型でフロートを装備したタイプですが、通常の脚のパーツも入っているので自衛隊型にもできます。
H-19B
2000年7月発売のキットで傾斜テールブーム型。これで自衛隊型が心おきなく作れます。
ドイツレベルH-19A
中身はイタレリのOEMですが、そのままではなく直線テールブーム型です。価格が高いので自衛隊型を作るのならイタレリのUH-19Aを買う方がよいでせう。(^_^;)
エアフィックスホワールウィンド
HAS.22/HRS-1
直線テールブーム型
PZWS-55ポーランド製キット。直線テールブーム型。手を出さないほうが無難です(笑)。
メイントラックホワールウィンド
HAR.2
ホワールウィンド
HAS.7
(レジン製改造パーツ)
エアフィックスのホワールウィンドHAS.22をホワールウィンドHAR.2やHAS.7にするためのイギリス製改造パーツです。傾斜テールブームのほか、HAS.7のほうには胴体下面に付けるフェアリングがパーツ化されています。このテールブームのパーツで海自のS-55Aにすることができますが、イタレリのキットが出たので用済みですかね。(^_^;)
1/144 ミニウイングS-55チェコ製レジンキット。傾斜テールブーム型ですが入手は困難です。
1/700 ホワイト
エンサイン
モデル
S-55胴体はレジン製でモールドも何もありませんが、ローターはエッチングでシャープな出来です。このスケールならテールブームを気にするまでもないでせう。(^_^;)

《デカール》

1/48 ツクダ/レベルキット付属【絶版】S-55館山航空隊
1/72 DF HELO STUFFDF40572S-55A部隊不明
ドイツ製デカールで、傾斜テールブームのS-55A用です。日本語はかなり正確ですが、所属部隊を示す記号や数字が入ってないのが残念。

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