三菱/シコルスキーSH-60K,USH-60K,SH-60L

《シリアルナンバー》

XSH-60K
8401/84022001年8月〜2005年3月
SH-60K
8402/84822024年10月現在、8402はXSH-60Kから改修
SH-60K(救難仕様)8455 8457 84612024年10月現在、SH-60Kから改修
USH-60K
8901(元8401)XSH-60Kから改修

SH-60L
8501/85022021年10月現在

《実機について》

 SH-60K(当初はSH-60J改)は、SH-60Jの後継となるターボシャフト双発の艦載型哨戒ヘリコプターとして1997年度から7ヶ年計画で開発されたもので、メインローターや搭載機器を新規開発しています。機体は胴体の拡大や機首の延長、ローターブレード形状の変更など大幅に改設計されています。新造されたSH-60J改の1号機(#8401)は2000年7月に初飛行の予定でしたが、一体成形された複合材製のメインローターに不具合が生じたため延期され、2001年8月8日にロールアウト、9日には初飛行に成功しました。

 SH-60L(当初は「回転翼哨戒機(能力向上型)」)はSH-60Kをベースにして2015年度から開発が開始された能力向上型で、搭載機器の能力向上(マルチスタティック戦術能力の付与等)やトランスミッション出力の向上、機体鋼製の改善等を実施したものとなっています。試作1号機(#8501)は2020年10月1日に地上試験が行われているのが確認され、2021年4月には2号機(#8502)が完成しています。2021年5月12日には1号機の飛行試験が開始され、それに先だってXSH-60Lの型式が付与されています。9月28日には2機ともに防衛装備庁に納入されました。その後2023年12月22日に開発完了、部隊使用承認がなされました。
 なお、本機は機体寸法や使用エンジンはSH-60Kと同じ、また外観はSH-60Kとほとんど変わらないため、模型製作の資料として作っている当サイトではSH-60Kの派生型として扱います。(^^;

《自衛隊での使用状況》

 試作機であるXSH-60Kの1号機と2号機は三菱と防衛庁技術研究本部による共同での試験を経て、2002年6月24日に海上自衛隊に引き渡されました。第51航空隊において2004年度まで技術・実用試験を実施した後、2005年3月31日付で部隊使用承認を取得、8月10日には量産1,2号機が第51航空隊に配備されました。また10月には第121航空隊(第21航空群・館山)に対する配備も開始されています。なお部隊使用承認取得後に1号機は汎用任務型USH-60Kに用途変更され、シリアルナンバーが変更になりました。

 SH-60Kは2024年4月現在で79機が引き渡されています。今後の導入予定は2020年度予算で調達した7機(#8477/8482含む)を2023年度と2024年度に受領することになっており、その後生産はSH-60Lに切り替わります。2022年にこれまで5年ごとに見直しを行っていた「中期防衛力整備計画」を「防衛力整備計画」に改訂し(これにより31中期防は2022年度で終了)、期間を10年とすることが決まりましたが、その初年度となる2023年度予算では6機の調達予算が計上されました。2024年度予算概算要求では6機の調達予算が計上されています。

 また、今後UH-60Jが減勢していく中で救難体制を維持するためSH-60Kを救難仕様に改修することとなりました。改修内容としては、機体からソナー等の哨戒用機器を下ろして増加燃料タンクを搭載し、機体の補強等を行うとされています。また、必要に応じて元の哨戒型に戻せるようになっているそうです(2023年12月の空自百里基地航空祭で第21航空隊の隊員さんに聞きました)。外見上の識別点として胴体下面の吊り下げ式ソナー用の穴がなくなっています。2020年度予算で2機分、2021年度予算で1機分、2022年度予算で2機分の予算が盛り込まれており、最初の2機は2024年度末に納入される予定とされていましたが、2023年11月に第21航空隊に改修1号機(8455)が配備されました。2024年1月には改修2号機(8457)がホバリング試験を行いました。2024年12月現在で改修3号機(8461)まで確認されています。

《性能諸元》

SH-60K
主回転翼直径16.4m,4枚羽根
胴体全幅2.7m
胴体全長15.9m
全高5.4m
発動機ゼネラル・エレクトリックT700-IHI-401Cターボシャフト×2
出力1,690shp(1基)
乗員3名

《配備部隊》

SH-60K(2002〜2008)
部隊名上位組織
第51航空隊第513飛行隊航空集団直轄
第121航空隊第21航空群
第122航空隊第22航空群

SH-60K(2008〜)
部隊名上位組織
第21航空隊第21航空群
第22航空隊第22航空群
第23航空隊第21航空群
第24航空隊第22航空群
第25航空隊第21航空群
第211教育航空隊航空教育集団直轄
第212教育航空隊航空教育集団直轄
第51航空隊第513飛行隊航空集団直轄
2008年3月26日付の航空集団の組織改編で、第21航空群(館山)隷下の3個飛行隊と大湊航空隊は第21/23/25航空隊に、第22航空群(大村)隷下の2個航空隊と大村・小松島航空隊は第22/24航空隊に再編されました。詳しくは略年表を参照してください。また、2011年2月(3月かも)には第211教育航空隊にも配備され、2018年3月23日には新編された第212教育航空隊に移管されました。

SH-60K(救難仕様)
部隊名上位組織
硫黄島航空分遣隊第21航空群第21航空隊
2023年12月15日に第21航空群公式のX(旧:Twitter)アカウント(@JMSDF_21aw)が「11月中旬にSH−60K(救難仕様)が館山に配備されました」とポストしました。

USH-60K
部隊名上位組織
第51航空隊第513飛行隊航空集団直轄

SH-60L
部隊名上位組織
第51航空隊第513飛行隊航空集団直轄

《キット》

※2018年6月現在でほとんどが艦船キットの付属品としてのキット化なので、漏れがあると思いますがきちんと調べるのめんどい(爆)のでご容赦ください。m(_ _)m
1/350 トランペッターSH-60Kクリヤープラ製で6機入り。初の独立したキットかな?
ピットロードSH-60Kイージス護衛艦「DDG-177あたご」「DDG-178あしがら」、護衛艦「DD-110たかなみ」「DD-113さざなみ」のキットに搭載機として入っています。
フジミSH-60K護衛艦「DDH-181ひゅうが」「DDH-182いせ」のキットに搭載機として入っています。
1/450 ハセガワSH-60K護衛艦「DDH-181ひゅうが」のキットに搭載機として入っています。
1/700 ピットロードSH-60K「海上自衛隊航空機セット」(S30)、海上自衛隊航空基地(SPS29)と、護衛艦「DDH-181ひゅうが」のキットに搭載機として入っています。
ハセガワSH-60K 「海上自衛隊 艦載機セット(護衛艦 いずも用)」と、ヘリコプター搭載護衛艦「DDH-183いずも」イージス護衛艦「DDG-173こんごう」「DDG-174きりしま」「DDG-175みょうこう」「DDG-176ちょうかい」のキットに搭載機として入っています。
アオシマSH-60K「海上自衛隊ヘリコプターセット」と、イージス護衛艦「DDG-177あたご」、護衛艦「DDH-181ひゅうが」「DDH-182いせ」、補給艦「おうみSP 諸島防衛作戦」のキットに入っています。

《デカール》

海上自衛隊デカールはありません。

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