グラマンUF-2アルバトロス『かりがね』,
グラマン/新明和UF-XS
《シリアルナンバー》
UF-2
| 9051/9056(ex.148324/148329) |
UF-XS
| 9911 |
《実機について》
グラマンUFアルバトロスの原型はアメリカ海軍向けの双発水陸両用雑用飛行艇JR2Fペリカンで、原型機XJR2F-1の初飛行は1947年10月1日でした。1948年にアメリカ空軍の水陸両用救難飛行艇SA-16A(後にHU-16A)及びアメリカ海軍の水陸両用雑用飛行艇UF-1(後にHU-16C)として発注され、この時に愛称はアルバトロスに改められました。SA-16Aの初飛行は1949年7月20日です。その後空軍はSA-16Aの一部を、主尾翼を大型化するなどした発展型SA-16B(後にHU-16B)に改造し、海軍もUF-1に同様の改造を施した機体をUF-2(後にHU-16D)として採用しています。本機はアメリカ空海軍のほか日本を含む21ヶ国で使用され、合計466機が生産されました。
UF-XSは1960年10月に海上自衛隊に1機だけ供与されたUF-1を、PS-1飛行艇開発のための技術デモンストレーターとして新明和工業で大改造した機体です。元々のエンジン(R1820-76(1,425hp)×2)の外側にさらにエンジン(R-1340(600hp)×2)を追加して4発機とし、主翼には前縁スラットと後縁吹き出し(BLC)フラップを装備、艇体上部にはBLC用のT58ガスタービンエンジン×2を搭載、艇体下部には波押さえや波消し装置を装着、水平尾翼はT型配置にするなどほとんど原型をとどめないほどの改造を受けています。改造後の初飛行は1962年12月20日です。
《自衛隊での使用状況》
UF-2は1961年10月3日に6機が供与されました。海上自衛隊に供与されたのはエンジンにライトR-1820-82(1,525hp)を装備した新造機で、R-1820-76を装備したHU-16A/UF-1からの改造機とはエンジンカウリングに若干の違いがあります(同じR-1820-82エンジンを装備したS2F-1のカウリングを流用したのではないかという説もありますが裏付けが取れませぬ)。JRF-5とPBY-6Aに代わる救難飛行艇として使用されましたが、1965年7月に事故で失われた1機を除く5機は1974年から76年にかけて除籍され、アメリカに返還されています。自衛隊での愛称は『かりがね』です。
UF-XSは1963年3月30日から大村航空隊に配備され各種テストに用いられた後、1967年10月16日に用途廃止となり、現在は岐阜県各務ヶ原市のかがみがはら航空宇宙科学博物館に展示されています。
《性能諸元》
| UF-2 |
全幅 | 29.46m |
全長 | 19.15m |
全高 | 7.87m |
主翼面積 | 96.15u |
運用重量 | 11,030kg |
最大離陸重量 | 17,010kg |
発動機 | ライトR-1820-82空冷単列星形9気筒×2 |
出力 | 1,525hp/2,800rpm(1基) |
プロペラ | ハミルトン・スタンダード43051-635 直径3.4m/3枚羽根 |
燃料容量 | 1,075gal(機内) 最大3,275gal(600gal×2の増加タンク) |
最大速度 | 380km/h |
巡航速度 | 248km/h |
実用上昇限度 | 21,500ft |
海面上昇率 | 1,450ft/min |
飛行航続距離 | 5,278km(最大) |
乗員 | 2名+10名 |
《配備部隊》
UF-2,UF-XS |
部隊名 | 上位組織 |
大村航空隊 | 佐世保地方隊 |
《キット》
1/48 |
RVHP | HU-16D
| チェコ製のレジンキット。海上自衛隊デカール入り。エンジンカウリングは下記トランペッターのキットより小さいです(泣)。 |
トランペッター | HU-16A
| 中国製のインジェクションキット。ですがHU-16A(UF-1)のモデル化なので海自のUF-2にするには主尾翼の延長とエンジンカウリングの改造が必須です。 |
1/72 |
SOVA-M | UF-2
| 2021年1月発売。パッケージは紛うかたなき海自のUF-2ですが、エンジンカウリングはやっぱり膨らんでませんでした。(^^; |
ハセガワ/ モノグラム | UF-2
| 【限定版】レベルモノグラムの箱・デカール替え。海自型にするにはエンジンカウリングなどの改造が必要です。 |
レベルモノグラム | HU-16B/D | 元モノグラムのキット |
ドイツレベル | HU-16B | レベルモノグラムの箱・デカール替え。 |
1/144 |
Aモデル | HU-16B | 2006年1月発売。海上自衛隊デカール入りですが海自型にするにはエンジンカウリングなどの改造が必要です。 |
エアロクラブ | HU-16 | 簡易インジェクションキット。ほとんど見かけません。 |
A&Wモデル | UF-XS
| 香港製のレジンキットでデカール付き。UF-XS初のモデル化、かな? |
1/700 |
ホワイトエンサイン モデル | HU-16 | レジン製でモールドも何もありません。 |
《デカール》
1/48 | RVHP | キット付属 | UF-2 | 大村航空隊 |
1/72 | ハセガワ/モノグラム | キット付属【限定版】 | UF-2 | 大村航空隊 |
1/144 |
Aモデル | キット付属 | UF-2 | 大村航空隊 |
ウクライナ人がデザインした漢字はかなりぁゃιぃです。このキットの発売時は、モケイラッキー(横浜市にかつてあった模型店)で買うときちんとした日本語(笑)のオリジナルデカールが付いたそうですが、今はどうなんでせうかね。
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エアロクラブ | キット付属 | UF-2 | 大村航空隊 |
A&Wモデル | キット付属 | UF-XS | 大村航空隊 |
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