日本航空機製造YS-11M/M-A/T-A
《シリアルナンバー》
YS-11M
| 9041/9042 |
YS-11M-A
| 9043/9044 |
YS-11T-A
| 6901/6906 |
《実機について》
戦後日本が初めて開発したターボプロップ双発の近距離輸送機です。初飛行は1962年8月30日で、合計182機生産されました。
YS-11には、最初の型であるYS-11-100と、最大離陸重量を10,000kg増加して24,500kgにしたYS-11A-200/300/400、さらに増加させて25,000kgにしたYS-11A-500/-600とがあります。また、YS-11-100/A-200/A-500は旅客型、YS-11A-300/A-600は貨客混載型、YS-11A-400は貨物型ですが、YS-11A-400は民間型はなく海上自衛隊のYS-11M-Aと航空自衛隊のYS-11Cのみです。
《自衛隊での使用状況》
自衛隊では海上自衛隊と航空自衛隊で採用されました。海上自衛隊では、まず1967年3月31日から1973年4月にかけて輸送型YS-11M(YS-11-100ベース)とYS-11M-A(YS-11A-300/400ベース)を各2機導入しました。YS-11MとYS-11M-Aの外見上の違いはほとんどありません。厚木航空基地をベースに輸送任務に就いていましたが、老朽化により2014年12月24日に残った2機(#9041,#9043)がラストフライトを実施、全機退役しました。なお、YS-11M-Aの2号機(#9044)は製造番号2182で、YS-11の生産最終号機です。
続いて1970年2月28日から1974年2月にかけて、ASW訓練型YS-11T-A(YS-11A-200/300ベース)を6機導入しています。YS-11T-Aは前部胴体下面にレドームを装備し、MAD(磁気探知装置)と攻撃兵装を除く大部分のP-2JのASW装備を搭載してP-2J要員の訓練に使用されていました。対潜哨戒機がP-3Cに変わった後は初歩的な機上作業訓練や航法訓練に使用されていましたが、機材の老朽化に伴い2011年5月18日をもって部隊での運用は終了、全機退役しました。
なお、YS-11M-Aの#9044(2009年9月28日に小月航空基地にてオーバーラン事故を起こしそのまま退役)と、YS-11T-Aの#6905および#6906は全貨物型に改造されており、前部胴体左側に大型の貨物扉が設置されています。
防衛省は2011年10月14日、当時残っていた3機のYS-11M/M-Aが東日本大震災における飛行時間の急激な増加により、運用停止時期が前倒しして到来することから、後継機としてC-130Rを選定したと発表しました。これはアメリカ海軍の中古機(現在は保管中)のKC-130Rから空中給油機能を外したもので、2011年度の東日本大震災復旧・復興関連補正予算で6機を調達しました。当初1番機は2013年度末に日本に到着することになっていましたが、結局日本到着は遅れに遅れて2014年11月13日に2号機(#9052)横田基地に飛来、通関手続きを行ったのち翌14日に厚木航空基地に到着しました。
《性能諸元》
| YS-11M |
全幅 | 32.00m |
全長 | 26.30m |
全高 | 8.98m |
主翼面積 | 94.8u |
キャビン寸法 | W2.7m×L17.2m×H1.9m |
運用重量 | 16,060kg |
最大離陸重量 | 23,500kg |
発動機 | ロールスロイス・ダートMk.542-10K 遠心式ターボプロップ×2 |
出力 | 2,775shp/15,000rpm(1基) |
プロペラ | ダウティロートルR209/4-40-4.5/2 直径4.42m/4枚羽根 |
燃料容量 | 1,920gal(機内) |
巡航速度 | 480km/h |
実用上昇限度 | 20,000ft |
海面上昇率 | 1,430ft/min |
飛行航続距離 | 2,334km(最大) |
乗員 | 3名+客室46名 |
《配備部隊》
YS-11M/M-A |
部隊名 | (旧上位組織→)上位組織 |
第51航空隊 | 第4航空群→航空集団直轄 |
第61航空隊 | 航空集団直轄 |
第205教育航空隊 | 鹿屋教育航空群 |
1号機(#9041)は1967年3月31日の配備当初は第51航空隊に配備されましたが、10月17日に第205教育航空隊に移管されました。残りの機体は当初から第205教育航空隊に配備され、1971年12月20日に第61航空隊が編成されると24日にそちらに移管されました。 |
YS-11T-A |
部隊名 | (旧上位組織→)上位組織 |
第51航空隊 | 第4航空群→航空集団直轄 |
第205教育航空隊 | 鹿屋教育航空群→下総教育航空群 |
1号機(#6901)は1970年2月の配備当初は第51航空隊に配備されましたが、5月16日に第205教育航空隊に移管されました。残りの機体は当初から第205教育航空隊に配備されました。 |
《部隊マーク》
第61航空隊
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1971年12月からの配備当初はノーマーク |
制定 | 不明(1994年12月頃) |
図柄 | コールサインの「Caravan」を青、それにちなむラクダのイラストをオレンジで描いたマーク
| 記入位置 | 垂直尾翼,乗降ドア直後の胴体側面
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第205教育航空隊
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1970年5月からの配備当初はノーマーク |
制定 | 1979年5月 |
図柄 | コールサイン「Tom Boy」の頭文字「TB」を黄でデザインしたマーク (P2V-7/P-2Jと同マーク)
| 記入位置 | 垂直尾翼
| YS-11Mが配備されていた頃は部隊マークを使用していません。
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《キット》
1/72 |
プラッツ | YS-11 | [発売時期不明]2018年2月にツインメッセ静岡で開催されたUAMC(空モデル大展示会)会場にて、木型模型が参考出品されました。これは期待するなというほうが無理です。(*´∀`*) |
バンダイ | 海上保安庁型/ YS-11M
| 古いうえに機首やエンジン回りが実感を損ねています。 |
1/144 |
童友社 | YS-11M-A
| 窓はデカール再現で、一段凹んでモールドされています。2011年3月にパッケージ写真を変えて再版されました。 |
ハセガワ | YS-11M/T-A
| 【限定版】窓はデカール再現で、T-A型の機体各部に増設されたレドームやエアスクープもきちんとパーツ化されています。2014年4月にはパッケージを変えて再版されましたが、デカールはハセガワ製シルク印刷のものに変わっています。2024年11月には空自のP型と海自のT-A型の2機セットが発売されました。
なお海上保安庁型や民間型は定番キットのはずですが、店頭ではあまり見掛けません。 |
1/200 |
プラッツ | YS-11A | 胴体・主翼等はレジン、脚柱はホワイトメタル、プロペラや脚扉にはエッチングを使ったマルチマテリアルキット。海上自衛隊仕様は出ないようです。 |
1/300 |
エフトイズ・ コンフェクト | YS-11M
| 【限定版】番外編2007年6月発売(東日本地区)の『名機の翼コレクション』のアイテムです。塗装済み完成品ですがプラキットと並べても遜色のない出来で、またこのスケール唯一のものなので入れときました。
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YS-11M | 【限定版】番外編。2015年12月発売の『日本の輸送機コレクション』のアイテムのひとつになっているものです。中身は上記のものと恐らく同じです。
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1/700 |
ピットロード | YS-11M/M-A | 【限定版】ホワイトメタル製。「ザ・ウエスト・ウイングス2」のスペシャルバージョンに付属。このスケールだと細かいタイプの違いはこだわっても意味がないかも。(^_^;) |
《デカール》
1/72 |
バンダイ | キット付属 | YS-11M | 第61航空隊 |
部隊番号のみ |
1/144 |
童友社 | キット付属 | YS-11M-A | 第61航空隊 |
ハセガワ | キット付属 【限定版】 | YS-11M | 第61航空隊 |
YS-11T-A | 第205教育航空隊[下総教育航空群] |
アシタの デカール (MYKデザイン) | SP-02 【限定版】 | YS-11M | 第61航空隊 |
YS-11T-A | 第205教育航空隊[下総教育航空] |
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