KWATのネットワーク機器、この10年(2001年6月13日)

 ワタシがコンピュータネットワークの住人になってから、6月4日で満10年になった。何気なく行った秋葉原でアイワのポケットモデムをほとんど衝動買いしてからこの10年、ネット(当時は「パソコン通信」といわれるテキスト主体のものであった)にアクセスしなかった日は年に数えるほどしかないくらいで、今ではすっかり生活の一部となっている。ここで、この10年の間にワタシが使ってきた、コンピュータをネットワークにつなげるための機器類をおさらいしてみることにする。
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アイワ・PV-M24B5 ●PV-M24B5(アイワ)
 これがその衝動買いしたモデム。通信速度は2400/1200/300bps、通信方式は全二重、エラー訂正機能はMNPクラス4あるいはCCITT V.42、データ圧縮機能はMNPクラス5あるいはCCITT V.42bisという、1991年当時の市販モデムの最新鋭にして最高の性能を持っていた。当時はパソコン通信の通信速度が1200bpsから2400bpsにアップしだした頃で、雑誌などでは盛んに『2400は速い!』と書き立てられていた。パソコンを持って3年半、“そろそろパソコン通信でも”と考えていたワタシは、新機種として雑誌によく取り上げられていたこのポケットモデム(当時は内蔵モデムなんてぇものは一般的ではなく、モデムといえば外付けで電話機の下に置けるくらいの大きさの据え置き形(通称“弁当箱”)か、ノートパソコンなどと一緒に持ち歩く携帯用のポケットモデム、というラインナップであった)をアキバで見て、“オムロンの(MD24FP5V)よりスタイルいいしぃ”とか思ってつい買ってしまったのである。
 このモデムは、てっぺんの小さな蓋の中にコネクタ類を集めてあり、持ち歩く際は蓋を閉じて付属のキャリングケースに入れ、使うときは蓋を開けてコネクタを露出させる。この蓋が小さくて丈夫で、開けていても邪魔にならないのがよい。またRS-232Cのコネクタは市販のケーブルが使えるもので、これもこのモデムを選んだ理由のひとつである。
 ところで、デスクトップパソコンユーザだったワタシがなぜポケットモデムかというと、当時勤めていた会社にあったノートパソコンが、ほかに誰も使える人がいないという理由で事実上ワタシの専用機になっており、そのマシンと一緒に使うことを考えたからである。実際、このポケットモデムはそのノートパソコンと一緒によく出張に持ち歩き、当時出現し始めたモデムからの電話ケーブルを直接つなげるISDN公衆電話を使って出先からパソコン通信を楽しんだものである。そんなことをやっている人間は当時まだ珍しかったので、ホテルのロビーの公衆電話でチャットをしている時に通りすがりの人に話しかけられたことも一度ならずあった。

オムロン・MD24FP5V ●MD24FP5V(オムロン)
 これは上のPV-M24B5と同時期に出ていたポケットモデム。性能はまったく同じである。このモデムもPV-M24B5と同様てっぺんにコネクタ類を配しているが、蓋はプラスチック製の大きくヤワなもので使うときは取り外すようになっていた。RS-232Cのコネクタは専用ケーブルしかつなげないものになっている。また蓋を閉じるとコネクタだけでなく全てのスイッチ類も中に納まるようになっているので、キャリングケースは付属していなかった。
 PV-M24B5があるのでこのモデムは本来なら買うはずはないのであるが、これは本体に書かれたロゴからもわかるようにK-NETからの買い取り品である。K-NETというのは神奈川県が出資した第三セクターのパソコン通信会社(当時は自治体出資のパソコン通信会社というのが大分や仙台などにもあった)で、NAPLPS(当時もっとも合理的な画像配信方法。ホストが出した描画命令に従って端末側で画像を描くという原理であるが、端末側の画面解像度が640×400ドット程度でしかないので、描ける画像がBASICで描いたモノと大差ないのが悲しかった(笑))を使ったビジュアル画面がウリであった。当時入っていた草の根ネット(この言葉も懐かしい)のひとつでK-NETのことを知って加入したのであるが、ここはモデム貸与が原則だったのでこのオムロンのモデムが付いてきたのだった。しかし正直言ってK-NETはあまり面白くなかったので数年で退会してしまったのだが、その際にモデムの買い取りを求められて(いらないのだけど約款にあったので仕方がなかった(笑))手元に残ったというわけである。

ジャストシステム・JS-HC001 ●JS-HC001(ジャストシステム)
 これはハンディカプラといわれるものでモデムではないが、上記のポケットモデムと組み合わせてよく使ったのでここで紹介しておく。ハンディカプラというのは電話の受話器の送話部と受話部にカプラの受信部と送信部を密着させてアナログデータ(モデムによって変調されたデータ)をやり取りするという、きわめて原始的(爆)な装置である。パソコン通信黎明期に使われた、モデム機能と一体になった音響カプラとは違い、これはモデム機能はモデムにまかせてデータのやり取りだけを行うモノである。
 ISDN公衆電話がなく普通の公衆電話しかないところや、会社の机に載っている電話でパソコン通信をしようとする時にはこれが必要であった。もちろん出張にも持ち歩いたものである。

オムロン・MD144XT10V ●MD144XT10V(オムロン)
 上の二つのポケットモデムは結婚した1993年暮れ頃まで現役であったが、通信速度はどんどん速くなって1993年頃になると9600〜14.4Kbpsが普通になってきていた。そこでぼちぼちモデムを替えようというわけで1994年に買ったのがこれ。この頃は前の会社を辞めていて、ノートパソコンを外に持ち歩くといったこともなくなったので、このモデムは据え置き型。通信速度は14.4K〜300bps、通信方式は全二重、エラー訂正機能はMNPクラス4/10あるいはCCITT V.42、データ圧縮機能はMNPクラス5あるいはCCITT V.42bisといった性能で、このモデムの場合はさらにG3FAX送受信機能もついていた。
 このモデムに替えてさらなる通信料金の(というより電話代の)節約が可能になったわけだが、オンラインで流れる画面を追って書き込みを読むということができなくなったのが、ほんのささいな困ったことであった(笑)。このモデム、未だにパッケージが箱ごとそっくり残っているが、もはやゴミでしかない。

アイワ・PV-BW5601 ●PV-BW5601(アイワ)
 1998年秋にNIFTY-Serve模型フォーラム仲間の“じじA”杜薫氏からウィンドウズ95マシンを譲っていただいて(詳しい経緯は『パソコンの話(その1)』を読んでね(^^))、ワタシのパソコン環境もようやくウィンドウズに移行したわけであるが、このマシンにはモデムが内蔵されていなかった。すでに時代はインターネット。当面はMD144XT10Vでしのいでいたがwebブラウジングにはかなりキツイ。そこで買ったのがこのモデムである。
 この頃は通信速度が56Kbpsになり始めた頃。このモデムは箱に『56K』と書かれていたので当然56Kbpsで通信できるのだらうと思ったら、そうは簡単にいかなかった。実は56K接続の規格は当時3種類あって、このモデムはそのうちのひとつ『x2』規格を採用していた。ところが国内のプロバイダのアクセスポイントでこの『x2』規格を採用しているのは数えるほどしかなく、ほとんどは『K56Flex』規格で次に多いのが『V90』規格なのであった。ロクに調べもしないで買ってしまうと後で痛い目に遭うという典型である(爆)。もっとも、その後すぐにアイワのwebサイトでアップデートされたファームウェアがリリースされて、このモデムも『V90』規格で56K通信ができるようになったのでこの問題は解決されたのであった。(^^;;
 ちなみにその他の仕様は今までのモデムとほとんど変わらない。FAX送受信機能も付いている。『x2』『V90』を使わないときの最高通信速度は33.6Kbpsである。

NEC・AtermIR450/D ●AtermIR450/D(NEC)
 1999年4月になってカミさんがノートパソコンを買った。当然インターネットをやりたいと言い出す。ということで6月になって電話回線をISDNに代え、TA(ターミナルアダプタ)機能付きルータを導入して二人同時にインタネとなったわけである。このAtermIR450/DはRS-232C(シリアル)ポート×1に加え10Base-T用4ポートHUBとUSBポート×1を内蔵し、シリアル接続した1台からはTAとして、また10Base-T接続×4台あるいは10Base-T接続×3台+USB接続×1台からはダイヤルアップルータとして機能するのである。ISDNであるから通信速度は通常Bチャネル1本分の64Kbpsであるが、このAtermIR450/Dに限らずたいていのTA機能付きルータにはマルチリンクPPP機能(Bチャネル2本を同時に使って128Kbpsで通信する)や、マルチアクセス機能(2台のパソコンでそれぞれBチャネル1本ずつを使う)が付いている。しかしウチの場合はBチャネルの1本は電話用に確保しておきたかったため残りの1本を2台でシェアして使う設定にした。
 10Base-Tを使うためにはNIC(Network Interface Card)が必要だが、当時のワタシのマシンはNICを刺すにはコストがかかりすぎるので(詳しい経緯は『パソコンの話(その2)』を読んでね(^^))ルータのメンテ用も兼ねてシリアル接続とし、カミさんのノートパソコンには10Base-T用PCカードを刺して、部屋を半周させて(当時ワタシとカミさんの机は背中合わせに配置されていた)10m長の10Base-Tケーブルを這わせるという構成にした。今考えればADSLまではこのままAtermIR450/Dを使い続けていても良かったようなのであるが、勉強不足は要らぬ出費を招くのである(笑)。

NEC・AtermITX80/D ●AtermITX80/D(NEC)
 ダイヤルアップルータを使って約1年、カミさんがネットワークゲームをやりだした。だがゲームによってはTA機能付きルータだとうまくいかないこともあるらしい。いろいろ調べるがAtermIR450/Dがすべてのゲームでも対応できるか確信が持てない。だがTAなら大丈夫らしい。そこで2000年7月に“TAなのに3台まで接続できる”AtermITX80/Dに買い換えることにした。このTAはシリアルポート×1、USBポート×2を備えそれぞれに接続した最大3台のパソコンから同時にISDN回線に接続でき、もちろんマルチリンクPPP機能やマルチアクセス機能も付いている。TAが替わったためカミさんのノートパソコンはUSB接続に変更となり、今度は5mのUSBケーブルに5mのUSBリピータケーブルを接続して10Base-Tケーブルの替わりに部屋を半周させた。またこのTAを買ってすぐにワタシのマシンも代替わりして、こちらもUSB接続になった。
 しかし、よくよく調べてみるとこのTAも内部ではルータと同じ理屈を使って複数台接続を実現していたのである。またワタシのマシンを替えたのならそれにNICを刺して10Base-Tで接続し、カミさんのマシンをシリアル接続にすればTAでつないでいることになるので、それならAtermIR450/Dのままでもイケたのではないかと思っている昨今である(笑)。
 その後カミさんのノートパソコンをデスクトップに代替わりさせた際に部屋の模様替えをして互いの机を接近させ、USBケーブルは延長させる必要がなくなった。さらに8月にはフレッツISDNを導入、パソコン通信を始めて以来の念願だった常時接続通信環境(正確には接続料金定額制だが)を手に入れた。(^o^)

ADSL接続機器 ●DSL型NCユーザユニット1(NEC)&BAR SW-4P(コレガ)
 そして2001年6月11日に通信回線をフレッツADSLに切り替えた現在の接続機器がこれ。我が家もついにブロードバンド時代に突入である。( ̄ー ̄)
 DSL型NCユーザユニット1というのはADSLモデムで、堅苦しい名前なのはNTT東日本からのレンタル品だからである(いちおうDSL NC ATUR-E1という型式名は付いている)。買い取りも可能なのであるが、ADSLはまだまだ安定していない技術であり、対向する回線収容局内の機器と対応するものを使わないと回線接続ができないなどの不具合が発生することがあるとか、価格がまだまだ高くて3年くらい使わないと元が取れない(レンタル料3年分くらいで買い取り価格と釣り合う)が、FTTH(光ファイバーでの通信)が目前に来ているこのご時世にそんなに長く使わないと予測できるとかの理由でレンタルとしたものである。これをスプリッタと呼ばれる分配器を通してアナログ電話回線に接続し(もちろん電話回線はISDNからアナログに戻した)、パソコンあるいはブロードバンドルータ側へは10Base-Tで接続する。
 BAR SW-4Pはそのブロードバンドルータで、ADSLを使って複数台のパソコンを接続する際にはほとんど必須のアイテムである。ADSLモデムと接続するWAN側に10Base-Tポート×1、パソコンと接続するLAN側に10Base-T/100Base-TX用4ポートHUBを備えたもので、パソコン側にはもちろんNICが必要になる。
 ADSLはノイズに弱いが電話ケーブルはノイズを拾いやすいので、ADSLモデムはモジュラージャックがある居間に置いて10mの10Base-Tケーブルを隣のパソコン部屋まで這わせ、ワタシのパソコン机にBAR SW-4Pを置いてそこから2台に分ける(カミさんが使ってたノートパソコンもつなぐことができる(^^))配線にした。流行の無線LANももちろん考えたが、我が家は鉄筋のマンションなので押入がある壁を隔てた部屋同士でうまくつながるかわからなかったことや、まだまだ価格が高いこと(ちょっと試すというわけにはいかない(^^;;)などで見送った。
 これで一応は快適な常時接続高速通信環境を手に入れたわけである。『一応は』というのは、最大1.5Mbpsの通信速度を誇るフレッツADSLなのにウチの場合はモデムのアースをきちんと取っても670Kbps前後しか出ないからである。ADSLは電話回線収容局との距離(おおむね2km程度)が遠すぎると速度が出ないし、建物内でISDN回線が隣接して引かれているとノイズを受けて速度が低下したり、家庭内の電気製品その他もろもろから発生するノイズにもきわめて弱い。そのためフレッツADSLの通信速度はベストエフォートサービス(条件が良ければうたい文句の通りになるかも知れない)となっており、速度の出る人は1.2Mbpsとかで通信できるが出ない人はISDN並という事例もある。それに比べればウチはISDNの10倍以上は出ているのでマシなのであらう。あるいは築15年のマンションではこれが限界なのかも知れない。

 ということでこの10年間の通信環境を振り返ってみたのだが、この10年で通信速度は我が家の場合で実に約280倍になっている。一方でNTTに支払う通信料金のほうは激減し、完全従量制で3〜4万円/月もかかったのが今や完全定額制で4,600円/月である。送信バイトあたりの金額なんてものを計算してみるとものすごいデフレであらう(爆笑)。
 次はいよいよFTTHであるが、ここまでくると築年数が古いウチのマンションのような集合住宅はますます不利になりそうである。もちろん既存のメタルケーブルと光回線とを接続して集合住宅の各戸で高速通信を行うHomePNAといった技術もあるが、光回線をそのままパソコン脇まで引っ張ってこれる戸建てにはかなわないであらう。ワタシにとっては技術の進歩もありがたいような、困ったような昨今であるようだ(笑)。


【追記】
アクトン・SMC7004BR ●SMC7004BR(アクトンテクノロジィ)
 2001年7月30日にブロードバンドルータをアクトンのSMC7004BRに変更した。機能はBAR SW-4Pと同等、WAN側とLAN側のポート数と性能も同じ、価格もほぼ同じだが、こちらはさらにパラレルとシリアルのポートをひとつづつ備え、プリンタサーバやモデムサーバとしても使用できる。もっともワタシの場合はそれらの機能は必要なく、オープンコース(@nifty以外のプロバイダからNIFTY-Serveに接続する)でNIFTY-Serveにtelnet接続した時に通信が止まるという不具合を解消するために変更したのである。このtelnet接続時の不具合はアクトン以外のメーカーのルータではほとんどすべてに起こる現象で、解決策は今のところルータの変更以外にはない。ということで、このルータ変更でtelnet接続の不具合も解消されたのであった。(^o^)


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